シンガーソングライターとしては、ファーストアルバムといってもよいのでしょうか、2009年に「雨の中のバラード」というミニアルバムが発売されました。おそらく、4月10日のコンサートで、この中からも歌われると思いますので、今日はそれを紹介いたします。

●雨の中のバラード
●アーティスト 深見東州
●発売日 2009年1月
●発行所 株式会社たちばな出版
●内容 CD
1 はるかぜ  詞・曲 深見東州
2 ジダンダ  詞・曲 深見東州
3 泣くなよ  詞・曲 深見東州
4 アンドロメダ王子  詞・曲 深見東州
5 ネッシーのブルース  詞・曲 深見東州
6 雨の中のバラード  詞・曲 深見東州

プロデューサーに多くの有名アーティストのプロデュースを手掛けてきた田村充義氏を迎え、厚みのある、カラフルなサウンドが展開されています。その音と深見先生のバリトンヴォイスがしっとりと、また軽やかに、さらにドラマチックに絡みあう傑作となっています。

1曲目の「はるかぜ」は、とても美しいメロディーに酔ってしまう名曲です。ワールドメイト会員のなかでは、よく知られた曲の一つですが、ここではアレンジがシンセサイザーの重厚さが前面に出ていて、オーケストレイションとは全く違う新鮮さに、まずは驚きます。さらに途中から四つ打ちのリズムが入るなど、かなり今の音になっていて、変化があります。深見先生のヴォーカルも、いつもより力強く、しかしとても温かい声で歌い上げられます。今までにないパターンで、感動がじわじわと押し寄せてくる歌になってます。

2曲目の「ジダンダ」は、小林旭さんがすぐにカバーされたのでも知られる曲です。有線放送のヒット・ランキングでトップになったとか、ワールドメイトの知人から聞きました。このCDでは、いきなりビッグバンド・ジャズ風の演奏ではじまり、オっと思いますが、ふだんのベルカント唱法を抑えた、フィフティーズっぼいノリで軽快に歌われます。歌詞も面白く、それでいて深い意味もありますが、つい口ずさみたくなる曲だと思います。

3曲目は「泣くなよ」です。個人的にとても好きな曲ですが、とてもロマンチックな、恋人に捧げる歌となっています。こんなセリフを言われると、女性は恥ずかしいやら喜びの気持ちやらで大変でしょう。私はとてもこのようなセリフを言うことはできませんので、かえって憧れてしまうのかもしれません。ワールドメイトでは女性を讃える表現をたくさん聞きましたが、深見先生の表現力はオリジナルでありきたりでなく、素晴らしいです。音の方もシンセの綺麗な音とベース、はじけるリズムが心地よいサウンドを生み出していて、ややセンチメンタルなメロディーは妙に共感をよびます。

4曲目は「アンドロメダ王子」という、アイドル歌手が歌っていそうなヒットチューンを思わせる曲です。実際に曲作りに詳しいワールドメイト会員の話では、ヒット曲を作るのに必要なものがきちっと押さえられていると感心していたそうです。シングルカットとか、ヒットを狙うとか、そんな意図はないのでしょうから実現はしませんが、今後作る曲は、オリコンあたりに登場する日もくるのではないかと、密かに期待しています。もちろんボップな歌を歌われるときでも、アイドル歌手のような歌い方とは違って、つねに気品を感じる歌い方をされます。

5曲目は異色のナンバーで、「ネッシーのブルース」という、これも小林旭さんがカバーしています。一瞬演歌かと思うようなイントロから始まり、そこから深見先生の低く抑えたブルージーなヴォーカルが、ストーリーを語るように続いていきます。妙に惹きつけられる魅力のある歌です。歌詞は、唯一人を離れた太古の恐竜を歌っているものですが、そこになにか哀愁を感じる、想像力をかきたてる歌であると思います。

いよいよラスト、6曲目はアルバムタイトルにもなっている、「雨の中のバラード」です。とても優しいイントロから始まりますが、じょじょにドラマチックに盛り上がっていく、力強い歌です。ハードロックのバンドが、たまに珠玉のバラードを歌うような、そんな趣の音にのって、人生を乗り越えようと求め続ける男の姿が彷彿とする歌詞が綴られています。ラストにふさわしい感動的な、スケールの大きな曲となっています。

「雨の中のバラード」

さて、簡単にアルバムの収録曲を紹介しましたが、ここには、オペラではない、いろいろな音楽要素の影響をうけたボップな楽曲がつまっています。それを、オペラのベルカントの響きは残しつつも、様々な歌い方で表現されています。

それからさらに7年たった今、いっそうあらゆるジャンルの歌に磨きがかかっておられます。なぜ、そんなにいろいろなジャンルの歌を歌いこなせるのでしょうか。「深見東州全部オリジナル曲コンサート」の告知には、「日本屈指の実力派オペラ歌手でありながら、ジャズ、ロック、ポップス、演歌、アニメソングなど、何を歌っても、専門の歌手より専門的と言われる。それには、理由があります。豪州の音大大学院を卒業し、音楽を幅広く学んだ結果、全ジャンルを愛するようになったのです。そして、全ての聴衆が喜び、楽しみ、ハッピーになることが、音楽芸術の本質だと悟る。それで、あらゆるジャンルの歌唱を、魅力的に表現する研究をしてるのです。それが、もう15年になります。これが理由です。」と書いてありました。そのオーストラリアでの音楽体験について、もう少し知りたいところですね。最後に推薦文を紹介しておきます。

小林旭(歌手、俳優)
どの曲もとても素晴らしい。私は多くのヒット曲を歌ってきましたが、深見さんの作る曲はとても独創的で、それでいて音楽の基本は忠実に押さえている。歌詞にも物語があって、ドラマ性を感じさせるものや、オリジナルの世界観をしっかりと持った歌詞があり、作詞家としても作曲家としても、非常に素晴らしい感覚の持ち主だなと思います。どの曲にも、歌にこめる心があって感心します。深見さんが、16年前に作られたという「札幌の女性」「福岡の女性」などのシリーズが、どれも情感豊かでとても好きです。最近の曲では、「ジダンダ」と「ネッシーのブルース」がとても好きで、私のCDでもこの2曲を歌わせて頂きました。私のCDでは、21世紀の旭節として歌っていますので、よろしければ、是非そちらも聞いてみてください。

栗林義信(東京二期会理事長)
深見東州さんの作詞、作曲した曲は心温まる、心なごむ曲ばかりです。そして、ぐっと胸に響く歌声です。大変素晴らしい。ポップスをこんなに上手に歌うオペラ歌手を初めて見ました。ミルバ(女性歌手)の、男性版を聞いている感じがします。

おすすめの記事