このたびの感染症を通じて見えてきたこと

今回の新型コロナウィルスによる致死率は、WHOによると、3.4%程度と思われるとの見方が出ていました。単純に、各国政府が発表している罹患数と死亡数から出てきた数字だと思いますが。季節性のインフルエンザでは、およそ0.1%くらいと言われているので、それよりもかなり高い数値だと言うのは確かでしょう。

今季の米国におけるインフルエンザの大流行は、昨年10月1日から2月1日の間に、米国内で2200万~3100万人が罹患し、関連する死亡者は1万2000~3万人と推定されています。かなりアバウトな数に見えますが、罹病ケースを完全に監視することは不可能だからだそうです。日本とは違い、米国の場合は症状が出ていても、あまり病院に行かないようですね。

日本のような国民皆保険制度もありませんから、医療費が高額になることも大きな理由でしょう。また、反ワクチン派の活動も日本に比べて活発のようです。なので正確な罹患者の実態をつかむことなど不可能なんですね。予防のワクチン接種拒否も多いと聞きますが、治療しないまま良くなったり、逆に亡くなる人も多いと思います。

そのような前提があり、開きの多い数値ではありますが、致死率は、0.1%前後というところでしょうか。日本でもそうですが、毎年流行する季節性インフルエンザであり、治療薬も開発され致死率が低いゆえに、感染リスクを小さく受け入れているのでしょう。これだけ流行しても、米国内でメディアが取り上げることも少なく、ほとんど話題になっていないとのことです。

しかし、コロナウィルスに関しては、米国政府の対応はかなり早く厳しいものでした。中国からの全面的な入国制限をどこよりも早い段階でかけました。また、昨日のニュースでは、コロナウィルス感染拡大を受け、9000億円もの緊急予算を盛り込んだ法案を可決しました。

一見すると流行しているように見える前から、カリフォルニア州のように非常事態宣言を出したところもありますね。民間ではビルゲイツ財団も、中東呼吸器症候群(MERS)や重症急性呼吸器症候群(SARS)よりも、阻止することが困難として、対策のために100億規模の支出をするそうです。ビルゲイツ氏は「100年に1度」発生するレベルの病原菌とも語っていました。

先進諸国の中では、日本やヨーロッパ諸国に比べて、対応のスピードも中身も強力な対策が取られてきたようにみえました。中国に対しては、全く忖度する必要がないこともあると思いますが、先手先手で対策をとっているように感じていました。おそらくCDCの存在が大きいと思われます。有効な治療薬がありませんし、致死率もインフルエンザよりもかなり高く、感染力が非常に強いと想定しているからだと思われます。ただ、それでも感染者はかなり増えてきていますので、今後の状況は厳しくなりそうです。

日本も、ここにきて、かなりギアが入ってきたように思います。

先日の首相会見の前後から、今後2週間ほど、大規模なイベントの自粛や、小中高の一斉休校が政府から要請されました。これに関しては、様々な批判が、野党やメディアや評論家、個人からも上がっていますね。しかし、あれから日本人の意識が変わってきたのではないかなと思っています。力を合わせて取り組み、難局を乗り越えようという意識になっていくのではという、個人的にはそんな感想を持ちました。

多くの人との濃密な接触の危険がある大規模イベントを自粛しても、そもそも満員電車などの、交通機関の中はどうなんだとか。罹患率が低い小中高を休校しても効果は無いという意見も見ました。もっともな意見ですし、事実の一面はあると思います。

社会における、大規模な規制となれば、会社への通勤をやめ、交通機関を止めるなどができれば、確実に感染拡大を防げるかもしれません。今後の成り行き次第では、新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正案も整いますので、緊急事態宣言により、強制力を伴ったより強い規制へと移行することもありえると思いますが、その場合は経済的な損失もより甚大となり、人権に関わる問題も噴出するかもしれません。

小中高の一斉休校や大規模イベントの自粛により、様々なマイナス面は指摘されている通りであるにしても、今後、中国のように社会の多くがストップになるよりは絶対に良いと思いました。今回の措置により、困窮する人々や会社をどのように救済するかは、政府が指針や対策を固めていくようです。

実際には、若い子は感染しても発症しているように見えない可能性があり、しかし学校で流行が始まると一気に広がりますから、そこから大人への感染が広がる危険があると思います。日本で一番感染者数が多い北海道がいち早く休校にしたのも、そんな懸念があったからでは無いかと感じます。一斉休校にはデーターによる根拠が無いという人もいますが、はっきりとするまで待っている時間は無いように思います。ただ、休みになったことで街で遊ぶ子供たちもいたようですけどね。遊び盛りなので無理もありませんが。

何れにしても、首相が覚悟を決めての全国一斉休校の要請に、99%前後の公立学校が応じ、私立も9割以上が応じたそうです。そして日本全体にも、とにかく今は、何とかしてみんなで力を合わせてやれるだけのことをやって乗り切らないといけないという気持ちが強く出てくるとよいですね。

感染症を精神論で乗り切ることはできませんが、アジアでは台湾が比較的、封じ込めに成功しているように見えます。日本と同じく関心の高さもありますが、政府がどこよりも早くから封じ込めに動いていたことや、中国やWHOの嫌がらせにあいながらも強い姿勢で対策に取り組んでいることが支持され、国民が一丸となっているように感じていました。

日本もここにきて、全面的に中国や韓国からの入国を制限しました。その直前に習近平国家主席の国賓来日が延期という公式発表が両国政府からありました。数日前からその話は出ていましたが、ワールドメイトの友人は、来日が延期になれば中国からの入国制限をしない理由がなくなるから、規制すると思うと話していました。そんな単純な話になるのかなと思っていたら、事実上の入国拒否になる措置をすぐにとりましたので、私の予想は外れました。

私もそうですが、今の日本政府も中国政府のことは価値観が違いすぎて全く信用してないと思います。しかし隣国の軍事・経済の大国であるがゆえに、いつまでも犬猿の仲では、将来の安全保障に大きな不安が付きまとうことになります。

ここ数年、中国経済は減速し、それに加えて米中貿易摩擦というより、安全保障的な観点から、米国は厳しく中国に対しています。そのため中国政府から日本ににじり寄るという結果を生み、この機会を捉えて関係改善につなげようという決断を政府はしたのだと思っています。それがあるので、厳しい入国制限をかけることを躊躇しているのだろうと思っていました。

しかし、中国の一部では、逆に日本からの入国規制をかけていますし、ここまで引っ張ったことで、中国に対しもはやカドが立つこともないでしょう。個人的には、中国政府というより、中国の国民がどのように日本のことを思っているのかに注目しています。政治的には困難な問題が多くても、お互いの国民の間に理解が深まれば、ソフトパワーで外交にも良い影響が出るのではないかと思います。

今回の感染症がきっかけで、中国の若者の本音として、決して今の共産党体制をよしとしていなことを実感しました。また、日本に対する好意的な発言もいくつか見られました。情報統制が厳しい中国にしては、珍しく本音が漏れてきたようにも思いました。偽情報を流することも平気でやりますので、見極めは必要ですが。

政府同士は国益優先なのでともかく、お互いの国民同士は、全部は無理でも、将来、もっと価値観を共有し合えるのではないかと、少し楽観的な意見かもしれませんが、個人的にはそう感じました。そして韓国との現在の関係も、日中間の関係改善が進むことになれば、大きな影響を受けざるを得なくなるのではないかと思っています。

ともあれ、かなりの人が中国全土からの入国制限を望んでいたでしょうから、遅まきながらも、このことが国民の支持につながり、台湾のように政府と一丸となって感染症に対応していけると良いですね。一部のメディアや言論人は、何をやってもネガティブな方向に叩きますけどね(笑い)

まだまだ予断を全く許さない状況ではありますが、サーズやマーズの時も、また、鳥インフルエンザが人から人へと変異するのでは無いかと騒がれていたときも、ある時点から、収束に向かい始めたように感じていました。それが、この1、2週間のことになることを願っています。早く収束に向かうよう、ワールドメイトで祈り続けたいと思います。

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