先週の土曜日に、明るすぎる劇団・東州の定期公演を見てきました。早く内容を書こうと思いながら、ぐずぐずしていると、ネットに大きく記事が掲載されました。

新聞やネットのニュースで、こうやって大きく取り上げられるのは初めてじゃないかと思いますが、それだけ今年の劇団のクオリティが高かったのでしょう。去年も最高に面白かったのですが、今年はゲストに本物のプロレスラー、それも初代タイガーマスクやザ・グレート・サスケ、西村修が友情出演し、レフェリーには田山正雄氏、実況中継に若林健治氏など、本物のプロレス興行そのままの演出があったりして、異常な盛り上がりでしたね。どういう展開になるのだろうと思ってましたが、まさかあのようなストーリーが用意されていたとは想像つきませんでした。

奇想天外で不思議なストーリーに加え、抱腹絶倒のおもしろいギャグが盛りだくさんで、そこにあっと驚くような仕掛けがあるのが深見先生の脚本であり演出ですね。それをまた、今年は劇団員が見事に演じきってましたね。演技も本当に素晴らしいなと思いました。明るすぎる劇団を見たことがない人は、今回の公演がDVDになれば、ぜひ見られるといいでしょう。地道に活動を続け地力をつけてきたからだとは思いますが、これで一気にブレイクしそうな感じですね。

明るすぎる劇団 ・東州の定期公演

変幻自在のステージ「明るすぎる劇団・東州」が定期公演開催

東京芸術財団主催、スポーツニッポン新聞社後援「明るすぎる劇団・東州」第5回定期公演が11、12の両日、東京・渋谷の新国立劇場で行われた。戸渡阿見(ととあみ)こと深見東州(本名・半田晴久)氏が総合プロデュースし、原作、演出、脚本、衣装、音楽、幕間パントマイムを担当。「黄金伝説~清拭篇~」「アレー人」「雨」「広辞林」というユニークな4演目に場内は爆笑に包まれた。「アレー人」には初代タイガーマスク、ザ・グレート・サスケ、西村修らプロレスラーが友情出演し、会場を盛り上げた。
まさにシェイクスピア劇団の再来だ。
「明るすぎる劇団・東州」は戸渡阿見の短編小説を上演する劇団として07年5月に旗揚げ。以来、各地で笑いあり、涙ありの公演を続けてきた。

5回目を迎えた定期公演2014の舞台は新国立劇場。満員の会場に期待と興奮が渦巻く中、まずは戸渡阿見の短編小説集「バッタに抱かれて」から「黄金伝説~清拭篇」が上演された。
「“明るすぎる劇団・東州”の演目の中で、最も格調高いものといえばこれでしょう」と深見氏が語る、抱腹絶倒の名作。この日は新演出で披露され、場内はオープニングから爆笑に包まれた。
ある日、主人公「金太(きんた)」の身に起こった大変なできごと。俳優「宇宙人ナンジョー」演じる「金太」が巻き起こすストーリーは奇想天外なもの。ブレーク中のお笑いコンビ「日本エレキテル連合」風のメークを施した看護師らも登場し、壮大な“金の玉と袋と亀の物語”が繰り広げられた。「現代に現れ空港に降り立つシーザー」などの楽曲に乗って演じられたダンスあり、笑いありの「黄金伝説~清拭篇」が、舞台を華やかに彩った。

続いて、会場を笑いに包んだものが幕間パントマイムだった。「東州チャップリン」による「妖怪クロック」に会場から大きな拍手。シルクハット、ステッキ姿の「東州チャップリン」が引き起こす騒動とユニークな動きの数々。再び登場した「日本エレキテル連合」風の看護師や観客を巻き込んだ爆笑ステージが、場内の雰囲気をさらに明るくした。
そして、今公演のメーンとなる最新作「アレー人」が満を持して披露された。今年8月に「南アフリカから戻る飛行機の中で浮かんだ」(深見氏)というギャグ満載の内容。「子泣きジジイがジャイアント馬場に変身するような、明るい面白さ」という触れ込み通りの展開に、場内のボルテージは上がる一方だ。

そのハイライトは本物のプロレスラーが友情出演した瞬間に訪れた。出自不明のアレー人に加え、ザ・グレート・サスケ、西村修、そして初代タイガーマスクが次々とリングイン。変幻自在の四次元殺法をはじめコブラツイスト、エルボースマッシュなど必殺技の数々が繰り出され、席から身を乗り出して声援を送る観客が続出した。
ファイトシーンの実況はフリーアナウンサーの若林健治氏。レフェリーは国内外のプロレス興業でフリーとして活動する田山正雄氏。プロレスを愛する両人が脇を固め「TOSHU FUKAMIゴールデンアニメ&主題歌」から「タイガーマスク」などの楽曲が披露される中、迫力満点のファイトが繰り広げられた。そして、明かされたアレー人の意外な正体。ユニークな芝居と、空中殺法満載のダイナミックなプロレスの見事な融合に場内は沸きに沸いた。第2幕終演後に登場した「東州チャップリン」は熱演した初代タイガーマスクらに「皆さん、本当にどうもありがとう!」と感謝。ザ・グレート・サスケ、西村修らをあらためて客席に紹介すると、大きな拍手が送られた。
休憩後の後半もテンションは上がりっぱなしだった。短編小説集「蜥蜴(とかげ)」からの第3幕「雨」は琵琶湖が舞台。迫力のない自分を苦にする「春雨」と、いつも皆に憎まれるがゆえに他をうらやむ「どしゃぶりの雨」。仲良しになった両者に、突然「よこなぐりの雨」が…。関西弁を交えたテンポのいい内容に加え、こだわりの舞台美術も観客を大いに楽しませた。

ここで、三たび「東州チャップリン」が登場。「エイ」「マンタ」「こばんザメ」「頬白鮫(ほおじろざめ)」「ジンベエザメ」などを「お題」にユニークな動きと表情、小道具で笑いを誘い、幕間パントマイマーとして別格の存在感を見せつけた。
最後の第4幕は、近刊短編小説集「おじいさんと熊」から「広辞林」。武蔵野と三鷹にまたがる東京・井の頭公園を舞台に、散策中の「私」が「広辞林」という見慣れぬ道しるべに気づく。「あ行」など、あの著名な辞書を想起させる演出。「太陽神ラーハラクティ」「沈黙の試練」「我が永遠のクレオパトラ」などのメロディーに乗って踊る「樹木ダンサー」らによる幻想的なストーリーが見る者を魅了した。
4演目ともに、人間と人間以外の生命体が仲良く共存する、不思議な戸渡阿見ワールドが全開。ファンタジーとSFに、ラブストーリーとギャグをまぶしたような、誰も見たことがない舞台。「宇宙人ナンジョー」「もろに北島」「葉子ヨコハマ」「けろけろ美帆」「マラゲーニャはだ」ら俳優陣と「カトリーヌ・ド・鈴木」のナレーションを軸とした3時間の上演は、人生に待ち受けるさまざまなことを一時忘れ、笑いたい人、泣きたい人、全てを満足させる内容となった。

終幕を迎えると、劇団団長でパントマイマーとしても出演した戸渡阿見こと深見氏に、大きな拍手が送られた。オペラ、能楽、京劇、ロックコンサートなど全てを演じ、プロデュースする万能の舞台芸術家。ギャグやパロディー、ダンスなど明るく先が読めない作風を得意とする。それでいて、エコロジーや人間の普遍的テーマをも内包する高い芸術性と独創性があることで、誰もが魅了されるのだ。深見氏は「4つの演目、楽しんでいただけましたか?大衆演劇は楽しいもの。今後も権威ある新国立劇場で開催した場合、お客さんにもおもしろおかしい格好をしてもらいましょうか」とジョーク交じりに仮装のススメを説くと、観客はドッと沸いた。
話題騒然、抱腹絶倒、世紀のシェイクスピア劇団の再来と、さまざまな形容詞で語られた第5回定期公演は、文字通り、大成功のうちに閉幕した。

【深見プロフィール】
深見 東州(ふかみ・とうしゅう)本名・半田晴久、1951年、兵庫県西宮市出身。同志社大学経済学部、武蔵野音大特修科卒業後、オーストラリアの大学院でオペラ演技を中心に学ぶ(MA修得)。97年、オペラ「俊寛」でオペラ歌手デビュー、ヴェルディの「リゴレット」やモーツァルトの「フィガロの結婚」などのタイトルロールを演じ好評を博す。13年、2人目の日本人男性として世界三大ホール(ロイヤルアルバート、カーネギー、武道館)を制覇した。芸術文化のほか経済、国際政治、スポーツ振興など多方面で活動中。

【東京芸術財団】(会長・半田晴久)
既存の芸術概念にとらわれることなく、独自性の強い自由な発想で新しい芸術文化を創成することを目的に、2012年、東京都一般財団法人として設立された。具体的な活動としては、多くの人が芸術文化に触れる機会を提供するため、芸術性の高い歌劇や演劇会を企画・上演する。また、若い芸術的才能を発見育成し多くの上演機会を設けて、その才能が国際的舞台で評価されるのを支援する。
設立以来、財団ではグランドオペラ「ドン・パスクワーレ」の公演や「ローマ法王謁見コンサート」(99年)などグローバルな活動を続ける「アルプス合唱団」の定期演奏会、コンサートや演劇の定期公演などを企画・運営している。

2014年10月16日 12:15スポーツニッポン

おすすめの記事