深見東州(半田晴久) 氏の年間イベント一覧
新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の提言の狙い

メディアでは、感染症の専門家と言われる方から、有識者、コメンテイター、あるいは個人に至るまで、様々な情報が飛び交っています。いろいろ聞いていると何が正しくて、どうするのか良いのか混乱しそうになるねと、ワールドメイトの友人と話していました。

そんな中で、あくまで今現在においてはですが、なぜ日本では欧米のように感染が急激に拡大していないのか?そして、亡くなる方も出てはいますが、人口比からすると圧倒的に死亡率が低いと思いますが、それらが疑問でした。

感染する人が少ないから重症者になる人も少なく、そこに日本の高い医療技術を持ってして、十分な医療体制がとれる限りにおいては、死亡率が低くなることはわかります。

しかし欧米諸国で信じがたいほど感染が急拡大し、死亡者も増え続ける現状において、逆に中国に近い日本では、なぜ感染する人がいまだ非常に少なく、みんな普通に暮らしているのだと、海外からも不思議に思われるようになりました。

日本が台湾のように、いち早く警戒して検疫を強めたり、あるいは米国やシンガポールのように、いち早く中国全土からの渡航者に規制をかけていたかというと、それは最近になってからのことです。東南アジア諸国もまだ少ないですけどね。とはいえ、ここにきてかなり増えつつあるのは心配ですが。その中でも日本は人口が多く、中国や海外からの流入も多いながらも、感染数はずっと低空飛行をしてきたように思います。

個々の日本人の、公衆衛生に関する基本的な取り組みが、感染拡大を少なくしている面があることは間違いないと思います。しかし、それだけでは説明がつかないですね。ワールドメイトの友人は、最初にクルーズ船の対応が世界で注目され、批判もされたので、かえって日本人の意識に強い関心と緊張感が芽生えたからではと言ってました。また、日本は韓国や欧米各国に比べて、たまたま運が良かったとしか思えないとも言ってましたが。

そのように海外からも不思議に思われていることを知りました。中にはオリンピックを控えているので、感染者数を増やさない目的で日本政府は検査をしていないなど、とんでもない意見さえ、まことしやかに語られています。それで遅まきながらも、政府の専門家会議の考え方をもっと詳しく知りたいと思い、いくつかの動画を視聴しました。

新型コロナ対策緊急対談での尾身茂氏(新型コロナウイルス感染症対策専門家会議 副座長)×山中伸弥氏(京都大学iPS細胞研究所所長)の話や、最新の感染症対策専門家会議の記者会見を聞くと、日本のコロナ対策が、世界各国の様々な取り組みとは違う、ある意味とても細やかにされているのではないかと思えるようになりました。

少し長いですが、最初に、こちらの対談を聴くと、わかりやすいかと思います。

その後、約2週間を経て、新たな状況の分析と提言についての、最新の記者会見の動画です。こちらも長いですが、じっくり聴くと、とても細やかに分析した上で、対策が練られていることを感じます。専門家の方達の見識の高さは信用するに値すると感じました。一部のメディアの質問が、政府批判のネタになる発言を引き出そうとしていることには笑ってしまいますが。

  1. 「クラスター(患者集団)の早期発見・早期対応」
  2. 「患者の早期診断・重症者への集中治療の充実と医療提供体制の確保」
  3. 「市民の 行動変容」

専門家会議には、当初からこの3本柱の基本戦略があることがわかりました。

日本の戦略として、メディアでも紹介されるのが、感染の急拡大を避け、ピークの山を緩やかにして後にずらすというやり方です。以下の図形がよく用いられますが、正確にいうと、それを必ずしも狙っているわけではないこともわかりました。

この図には書かれていませんが、山のピークを下げつつずらすというよりも、感染者が増えない低空飛行のままで、抑えていこうとしていると理解しました。そして完全に抑え込むことはもはや不可能ということで、ワクチンができるまでにはまだ時間が長くかかるにしても、有効な治療薬は早く出ることも期待できますので、そこまで感染者数を増やさずに持ちこたえようとしているのでしょう。

医療崩壊を防ぐためというのはもちろんですが、それがうまくできるならば、一定の感染は続いていても、重症者数があまり増えず、しっかりと治療ができるため、死亡率(人口に対する死亡比率)が下がると思われます。

つまり、感染の撲滅を目標にしているのではなく、重症化を防ぎ、死亡率を下げることを目標にしているわけですね。

そこで、ポイントになる取り組みがクラスター対策になるようです。これは、疫学調査にもとずく専門的な知見がないと十分に理解できませんので、詳しくは省きます。

私が強く印象に残った部分を書くと、まず、今回のコロナウィルスの特徴として、5人の感染者のうち4人までは周囲の人に感染させていないそうです。一方で一人から、多くの人に感染が拡大したことが疑われているそうです。なので、例えば5組の家庭において、家族の一人に感染者が出たとすると、4つの家庭では家族への感染はおこらず、一つの家庭のみ家族に感染する感じになるのでしょう。

このことは初めて知りました。しかし、家庭内で感染しても、感染経路がわかっているので抑え込みは可能です。

しかし、その感染させる一人が、例えば大阪で発生したライブハウスのような、換気が悪く、人が密集し、会話とか発声を盛んにするような場所では、多数の人に感染させてしまうことがあるそうです。そのような集団感染のことをクラスターと呼んでいますね。

日本では、今のところは小規模なクラスターが、一部の地域で発生しているにとどまっています。とは言っても、クラスター発生の発見が遅れたりすると、クラスターの連鎖が起き、爆発的な感染拡大に繋がり、制御することは困難になります。すると、ロックダウンするしか無くなってしまうそうです。

韓国の大邱市で発生した大規模集団感染を見ると、そのことが理解できますね。そのため韓国では、数万人規模のPCR検査を早急に実施する羽目にもなりました。感染者が多かったため、医療現場では重症者に十分な治療ができないまま、亡くなった方もいたそうです。その後、軽症者や無症状の感染者に関しては、サムソンなどの企業が提供した大規模な社員寮などに移して治療や経過観察を行い、感染症対応の病床には重症者を収容できるように変えて、なんとか落ち着いてきたようです。

日本でも発見が遅れてクラスターの連鎖が起きたり、大規模なイベントでクラスターが発生すれば、全国から来ますので、追跡するには困難が予測され、急激な感染拡大につながる恐れがあります。日本では人口に比例して、感染症対応の病床数は韓国よりも多いとはいえ、あれほどの大規模なPCR検査は難しいでしょうから、決して起きて欲しくないところです。そもそもPCR検査では、何割かは陽性の人にも陰性と出ることがあるそうです。検査が多くできたとしても、非常に問題となる一面もあります。また、医療関係者や他の患者、検査へ来た人への感染リスクもあるので、慎重に、万全の体制で行わないといけません。

日本では、無症状の人の検査は、希望しても行なっていないそうです。また、風邪のような症状があっても、濃厚接触者である可能性がないと、なかなか検査をしていないのかもしれません。その辺の線引きは難しい気がしますが、実際、検査をしても大半は風邪かインフルエンザでしょうから、検査技師の疲弊を防ぐためにも、より感染の可能性の高い人に絞らざるを得ない面もあるのかもしれません。感染症をゼロにするのが目的ではなく、重症者への治療の集中と死亡率を下げることが目的なので、そうなっているのでしょう。

とはいえなんからの症状がある人は、感染しているのではないかという不安を感じ、検査を望む声も多いと思います。現状では、とりあえず人に感染させないように注意しながら、万が一症状が悪化するようなことがあれば、すぐに連絡する感じになるのでしょうか。もちろん、基礎疾患のある人や、高齢者はその限りではなく、早めに連絡をしなければいけませんね。

大分の病院で発生した院内感染では、感染の疑いがある600人に対し、PCR検査を実施すると報道されました。そのようなクラスター事例が全国で続出すれば、検査技師も、時間がかかり熟練が必要なコロナ検査以外にも、たくさんの検査をしていますので、過剰な負担がかかり、キャパをすぐに超えてしまうかもしれません。そして、愛知県でも問題になっていましたが、感染者を受け入れることができる病院もキャパを超え、すぐに足りなくなるでしょう。

イタリアが特に顕著ですが、フランスやドイツなどの先進国でも、医療関連への財政投入が削減されています。その点、日本はGDPに占める医療費の割合が高く、医療資源においては優れている面が多いといえます。とはいえ、感染症に対応した病床、重篤な患者を治療するICU(集中治療室)、人工呼吸器などの医療設備、防護服、医療関係者のどれをとっても有限であり、感染症以外にもたくさんの患者がいる中で、重症者に医療資源を集中させる体制づくりが必要になってくると思われます。さらに感染拡大に備えて、軽症者の隔離施設の拡充など、自治体でも取り組んでいく必要があります。

話を戻すと、そのように感染者をゼロにするという戦略ではなく、クラスター対策に力を入れ、徹底して早期に潰すことによって、爆発的な感染拡大にならないようにする戦略だとわかりました。

北海道では、クラスター班の分析結果から、一時期、感染が急拡大する可能性があったようです。その時、知事が非常事態宣言を出し、外出の自粛を道民が積極的に行いました。最近までそれが続き、どうやら感染拡大には繋がらなかったということで、非常事態宣言は解除されました。そのような市民の行動や、今後も換気が悪く、人々が密集し、至近距離で話すようなことを避けるなど、市民の行動変容を、対策の3つ目の柱にしていますね。

はじめにも書いたように、このコロナウィルスは、感染者の皆が周囲に感染させるインフルエンザウィルスとは性質がかなり違うそうです。一部の特定の感染者から感染が広がるようで、3つの避けるべき条件が重なる場所に出向き、そこでクラスターが発生することを、最も警戒しています。つまり、すべての感染者から、感染が広がるインフルエンザと違い、一部の感染者からクラスターが発生するリスクさえ抑えるこむことができれば、あるいはクラスターが起きても、その後を素早く抑え込むことができれば、国内の感染数は低く抑え込むことが可能になるのでしょう。これは、今回のコロナウィルスの特徴をつかんだ上での、非常に優れた対策であることを理解しました。

私たちにできることは、クラスターが発生しやすい場所を避けるか、イベント開催においては、クラスターになりやすい条件が重ならないような対策を施すと良いのでしょうけどね。

そうやって、クラスターの発生を抑え、クラスターが発生した時は、速やかに把握し、徹底的に抑え込んでいくことを、クラスター班や自治体が協力して行なってきたのでしょう。大阪と兵庫の往来を自粛する件も、そのような政府の専門家のアドバイスから来ていました。

この対策が功を奏しているのか、感染者をゼロにはできなくとも、感染数を低めに抑え続けることが出来ているように思います。結果として、重症者も少なくなり、死亡率も下がるのでしょう。

ちなみに、インフルエンザでは、日本でも毎年1万人くらいが亡くなっているそうです。アメリカはインフルエンザ死亡者が、例えば2018年は6万人を超えたとか、毎年非常に多くの方が亡くなっています。それでも数千万人単位の感染者がいるため、致死率からいくと、先進国ではおよそ0.1%くらいと言われています。しかもインフルエンザの場合は、インフルエンザウィルスが直接作用しての死因というより、それを引き金として、細菌性の肺炎に移行しての死亡など、関連死が非常に多いそうです。アメリカでは、インフルエンザ直接による死因だけをカウントしたと思われる統計数は、10分の1くらいの数値になっていました。ちなみに日本で、医師が死因をインフルエンザと認めた死亡数は、2018年で三千人強くらいでした。昨年もほぼ同じくらいの推移です。

マスコミで取り上げられるインフルエンザ死亡数では、そのようにインフルエンザから細菌性肺炎の発症や、持病をこじらせて心不全など他の病気による死亡も含まれます。しかし今回の新型コロナウィルスがインフルエンザと違うところは、コロナウィルスが肺で悪さをし、直接コロナウィルスが原因で亡くなっているそうです。必ず全員がそうかは不明ですが、そのような特徴があるとのことです。

また、インフルエンザには有効なワクチンもあれば、関連する病気にも、それなりの治療が確立されています。したがって致死率も低くなっていますが、今回のコロナウィルスに対する有効な治療は、現在のところ確立されていませんので、決して侮れないと思います。高齢者で、持病を持つ方のリスクが高いというのは報道されている通りでしょうけど、そうじゃない人でも、重症化する例が多く報告されていますので。それだけに、重症者に対する集中医療の充実という対策の柱は、とても理にかなっていると思います。死亡者を減らすために、限られた医療資源をいかに集中させることができるかが、大きな鍵になりますね。

それから、日本では、そのようなインフルエンザや、細菌性肺炎で亡くなった方の中に、新型コロナウィルスの感染者が多くいるのではないかという人もいます。この件も、動画の中でも触れられていましたが、今の所、そのような不明な症状の肺炎による死亡や症例が、報告に上がってきてはいないそうです。日本のCT保有台数は、先進諸国の中でも群を抜く一位です。専門家ではないので詳しくはわかりませんが、肺炎の症状をCT 画像で見て、怪しいものがあれば、各医療機関から報告される仕組みがあるようです。

今のところ日本では、知らないところで感染が、そこまで拡大しているようには思えません。感染が欧米のように拡大していれば、当然のこととして、そのような新型コロナウィルス由来の肺炎患者が、かなり出ていないとおかしいですからね。

しかし今後は、感染がかなり広がることを想定しているそうです。すでに、欧米や東南アジア渡航者からの感染流入を完全に止めることは不可能だそうです。感染経路の不明な感染者も増えています。知らない間に市中感染が広がり、ある時にオーバーシュート(爆発的感染拡大)が起きてしまう可能性も、特に都市部においては、今後の推移次第ではありえるとの見解のようです。

そうなった場合、欧州で起きているようなことが日本でも起き、ロックダウン(都市封鎖)しなくてはならなくなるのでしょう。ちなみに現在、ヨーロッパ各国、アメリカのいくつかの州などで、事実上の外出禁止令が出ていますが、10億人以上の人々が影響を受けているようです。日本でもそのようになると、重症者の絶対数が増えるため、亡くなる人も増えてしまいます。

以上、私の理解で正しいのかどうかはわかりませんが、概ね、そのように理解しました。内容はもっと多岐にわたり、詳しい対策についても提言されていますが、文章としては以下にまとめられています。

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000610566.pdf

ちなみに、なぜ、人に感染させる人と、感染させない人が出るのか、仮説はあるけども、その違いはよくわかっていないそうです。

今後は、経済活動と感染症対策を、どのようにバランスをとっていくのかについても、悩ましい問題が山積みです。新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の人たちも、持続可能な対策についての模索をしていることがわかりました。最終的には、それらの意見を聞いた上で、国や自治体の政治家が音頭をとっていくことになるのでしょう。それが国民の多くが納得し、理解できるものになるかどうかはわかりませんが、このような世界の非常時なのですから、対策に集中できるようにメディも政治家も動いて欲しいですね。批判のための批判をするのではなく、政局に偏らずに、対策に取り組まないといけないと思います。

ワールドメイト会員の皆も、経済がこのまま沈滞してしまうことを懸念しています。そうならないように祈り続けたいと思います。感染症の専門家の判断も、政治家の判断も狂うことなく、そして企業や市民の判断と行動が、ツボにはまって、バランスをとりながらコロナを克服することができ、経済が回復できるように願いたいと思います。

また当然のことながら、日本国内だけで済む問題ではありませんので、世界各国が協力して感染拡大が収束に向かい、有効な経済対策が行われますように。そして終息後は、災い転じて福となるよう、複雑な問題を抱える国際情勢や、国際的な協力体制が、今より良くなるように願いたいと思います。

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