今年は、初めてISPSハンダ マッチプレー選手権を観戦しました。久しぶりのゴルフコースでしたが、美しいグリーンを見ながら、林の中を歩くだけでも気分的にリフレッシュされますね。プレーをする人たちは、さらにその何十倍も楽しいのでしょう。

 

8日の準決勝、池田勇太プロvs今平周吾プロ、タンヤゴーン・クロンパvs ワナスリチャンの2試合もとても白熱した試合でしたが、こちらはAbemaTVの録画を見ました。(AbemaTVの録画は、試合終了後1週間ほど見れます)

 

 

 

 

マッチプレーはストロークプレーよりも見ていて面白いと、ゴルフ好きのワールドメイトの友人は言いますが、私も昨年の試合を動画で見てそう感じていました。今回の決勝戦を生で観戦すると、面白い理由が私なりにわかりました。やはり、ワンコースごとに勝敗が決するところが面白いのではないかと思いました。ストロークプレーのように、18ホールを通して打数の少なさで勝敗を決するやり方だと、最終日に上位のスコアが並んでいるとハラハラしますが、マッチプレーでは、初日だろうが最終日だろうが、どの時点においても、マイホールごとに勝敗が決まるので緊張感があります。トータル打数の多寡ではなく、そのホールで相手よりも少なく打つか、少なくとも引き分けることが大事なので、それだけに、1打に込める集中力を切らすことができませんね。また、そこに対戦相手との駆け引きが加わるので、そこが、かなり違うように思います。そして2アップくらいの差でしたら、すぐにひっくり返る可能性があるので、見ていて毎ホール終わるたびにハラハラしました。

 

決勝の今平周吾プロ VS タンヤゴーン・クロンパ戦では、クロンパが1アップで折り返し、後半に入っても今平プロは惜しいところでバーディーパットが決まらず、一度も勝てないまま逆に少しづつ離され、クロンパの3アップになります。しかし15番ホールでクロンパが短いバーディーパットを外し引き分けると、16番ホールでは今平プロが起死回生の超ロングパットを沈め、この試合で初めて勝利し、2ダウンまで戻します。これで流れが変わるかと17番ホールに期待が集まりましたが、やはりこの日は最後まで短いパットが決まらず、ここで敗れました。

 

 
ワールドメイトの友人によると、準決勝の池田勇太戦でも、やはり短いパッドをミスする場面があったそうですが、この日はグリーンにオンまでは良いのですが、バーディーパットがほとんどが決まりません。うち3回ほどは、普段なら難なく決めるような長さではないかなと思いました。今大会はずっとショットが好調で、特にアプローチショットではピンそばにベタっとつけるナイスショットを連発していたそうです。しかし決勝ではその精度がやや狂いはじめ、それがパットにも微妙に影響したのか、ことごとく外してしまう結果になったようでした。

 

対するクロンパ選手ですが、大きなミスもなく、終始安定したプレーで最後まで崩れませんでした。途中のリカバリーショットにも見事なものがあり、特に大きな木の後方のラフから思い切り打ち込み、見事にグリーンに乗せたショットは圧巻で、ギャラリーからどよめきが上がりました。グリーンへの軌道上に大きな木が邪魔してまともに打てないだろうと思っていただけに、意表をつく渾身のショットにびっくりしました。気持ち的にも果敢に攻めていたのが良かったのでしょう。今平プロの追い上げを断ち切るかのような、気迫の一打でした。

 

この日は地元埼玉出身であり、現在、国内ツアーでプレーする若手ナンバーワンの実力者と言える今平周吾プロに、たくさんのギャラリーが声援を送っていました。クロンパ選手はそんな完全アウェイの状況の中で、堂々と落ち着いて競り勝ったのですから、本当に立派です。しかも日本ツアー初優勝というプレッシャーもあったと思いますが、そんなプレッシャーを微塵も感じさせない気迫溢れるプレーでした。

 

 

表彰式での優勝者スピーチでは、たどたどしい日本語で一生懸命、主催者代表の半田晴久会長(深見東州先生)はじめ、大会関係者、ボランティアの人たちへの感謝を表現していました。優勝した感想はそれだけですかと聞かれると、それだけですと応じてギャラリーを笑わせましたが、とても初々しい好感度の高い選手でした。この日、池田勇太プロとの3位争いの激戦に競り勝った、同じタイのワナスリチャンが、自分が優勝したかのように喜び、抱きついていたのがAbemaTVの映像で流れました。タイ国の選手たちのゴルフにかけるひたむきな精神や、仲間を思う心を感じました。

 


 

クロンパ選手は、同じタイ出身の、日本のシニアツアーで大活躍をしているプラヤド・マークセンに憧れ、よく教えてもらっているそうです。今度は、自分が日本ツアーに挑戦しようとする若手の手本になり、彼らにアドバイスを与えることができるようにしたいと言っていたそうです。

準決勝では、そのタイの新鋭ワナスリチャンとの対戦でしたが、いつも一緒に練習する仲間なのでとてもやりにくかったと言っていました。スポーツの世界には、普段仲の良い親友同士の対戦、あるいは小さい頃からの憧れだったスタープレーヤーとの対戦など、精神的に勝負に徹しにくいケースもあると思います。

今回、全米オープンテニスで日本人として男女を通じ初優勝の快挙を成し遂げた大坂なおみの決勝の相手、セレーナ・ウィリアムスもそうでした。大坂なおみは、子供のころからセレーナに憧れ続け、彼女のようになりたいとずっと思っていたそうです。そして、その憧れのセリーナが、出産後に再びグランドスラム24勝目(史上タイ)を本気で目指していたのが分かっていたからと、リスペクトする気持ちを強く持ちながらも、「コートに入るときは、自分が別人になったつもりでいる。自分はセレーナのファンじゃない、ただのテニス選手で、もう1人の選手と試合をするだけだって。でもネットの横で彼女とハグしたら、小さな子供の頃に戻った感じがした」と、子供の頃から持ち続けた感情を失なわない、純粋で、優しい気持ちを吐露しました。

 

そのケースとは少し違いますが、ふだん仲の良い選手同士の準決勝は、デッドヒートの末にクロンパ選手が勝利し、そのクロンパ選手が決勝で勝利すると、その優勝を我が事のように祝福するワナスリチャンも、とても純粋な優しい心を持つ選手なのだろうと感じました。しかし、ガッツ溢れるたくましさや忍耐力もあるようです。AbemaTVの解説者の話によると、3回戦で日本男子の期待のホープ星野陸也プロを18ホールの激戦で退けた後、4回戦のスンス・ハンとの対戦では、マッチプレー特有の駆け引きが随所にあったそうです。

接戦が続く中、終盤のホールで、スンス・ハンがなかなか打たないため、ワナスリチャンは先に打って、ピンそばにピタリとつけたそうです。ところがマッチプレーでは遠い選手が先に打つべきところ、先に近い選手が打った場合、プレーのやり直しを請求できるそうです。それで、もう一度やり直しになり、そのホールは結局スンス・ハンが勝ったそうです。

 

その後、スンス・ハンのショットがピンそば60センチくらいにきたときに、ワナスリチャンはOK のコンシードを出したそうですが、そのホールでワナスリチャンがやはり同じくらいピンそばに寄せたときは、コンシードを出してくれなかったそうです。それで素振りもせず、すぐにパターを決めたそうですが。もちろん、これらの行為はマッチプレーのルールで許されているものばかりで、なんら悪いことではなく、これもマッチプレーの駆け引きの一つなんですよと解説者が言っていました。ちなみにワナスリチャンは、マッチプレーをするのは初めてだったそうです。

結局、オールスクエアのまま延長に入り、最後は20ホール目でワナスリチャンが勝利したそうです。そして駆け寄ってスンス・ハンに握手を求めたそうです。

そのように、プレー中は穏やかな心境ではなかったと思いますが、すぐに冷静なプレーに戻り、最後は勝利したあたり、なかなか今後が楽しみな選手かもしれません。そして、そのような心理戦の要素がたくさんあるのも、マッチプレーの面白さの一つなのだろうと思い、紹介しました。

 

 

 

 

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