深見東州先生は、公益財団法人日本国際フォーラムの理事を務めています。先月8月21日に、日本国際フォーラムが主催する第4回「世界の深層」が目黒区のウェスティンホテル東京で開催されました。今回はリズ・トラス元英国首相がゲストに招かれ、特別講演を行いました。
また、トラス氏を囲んで、日本国際フォーラムの参与、副理事長、評議員が参加したパネル討論会では、深見東州先生がモデレーターを務めました。
リズ・トラス氏と深見東州先生の出会い
リズ・トラス氏は、深見東州先生とはスコット・モリソン・オーストラリア元首相の紹介で、初めてお会いしたとのことです。それから親交を深め、今年の深見東州バースデー個展にも、バースデーメッセージを送っていました。
そもそも深見東州先生と英国との関係は、30年以上前から始まります。その頃、英国で事業を開始し、一等地に会社で家を購入し、拠点としながら、英国での活動が始まったことを以前聞きました。
事業だけでなく、福祉活動、文化芸術、学術関連と、持ち前の多彩な才能を活かして、少しづつ英国での活動が広がっていき、その過程において、自然とVIPとの縁も生まれたようです。
最たるものは、やはり英国王室のメンバーだといえます。故エリザベス女王には3度謁見し、チャールズ3世(現国王)とは現在も親交が深いです。またウィリアム王子、ハリー王子とは、慈善活動で協力しています。大半の王室メンバーと、面識以上のものがあると思います。
また歴代の英国首相とも交流があり、故サッチャー元首相とは、直接の交渉によって、4回ほど日本に招いています。第一回は菱研の「日英鉄の女の平和的対決」シンポジウムと題し、日本からは土井たか子衆議院議長が参加しました。2度目の来日では、竹村健一らとの会談で、それぞれ興味深い内容でした。
サッチャー首相の後、7年後に労働党が政権を取りますが、その時の首相であるトニー・ブレア氏を、2度ほど日本に招聘し、「世界オピニオンリーダーズサミット」を開催しました。メディアでは聞けない本音の話が聞ける有意義なサミットでした。
その後、また保守党が政権を取り戻しますが、その時のデービッド・キャメロン元首相を、2度日本に呼んで、6カ国の保守系元首相による「世界オピニオンリーダーズサミット」開催や、「G20世界宗教サミット」を開催しました。
ざっと、主な事柄だけを書きましたが、僕のようなワールドメイト会員は、英国における過去の交流を時系列で見てきただけに、今回リズ・トラス元首相を日本に招いたことにも驚きはありません。おそらく保守党では、ボリス・ジョンソン氏やテリーザ・メイ氏とも面識があるのだろうと思います。
リズ・トラス氏の講演内容
僕は今回の「世界の深層」に参加していませんので、内容についてはよくわかりません。メディアが書いていたものから少し拾ってみます。
トラス氏は冒頭で「民主主義と自由主義は大きな疑問符がついている。数十年ぶりの危機」と訴えた。その状況をつくり出しているのが、ロシア、中国てどの権威主義国だ。トラス氏は「西側諸国を救うための10年」という書籍を出版し、自由民主主義国が10年で変革できなければ、権威主義体制が大きな脅威になると記しているが、まさにその状況を迎えている。
変革できなかった理由については、「慢心したための危機」と位置付けている。「冷戦の終了で自由民主主義は永遠の勝利と思ってしまった。」だが、ソ連は崩壊したものの、自由民主主義には移らずに権威主義国家となり、ウクライナ侵攻など「大きな問題を西側に突きつけるようになった」それに対し、「早い段階で誰も声をあげなかった。戦略が間違いだと認めたくなかった。近視眼的な状況が今の状況を招いた」と捉えた。
さらに、英国における現状の問題点と解決策についても話があったようです。トラス氏は45日間という短期間で退陣に追い込まれましたが、それについては、「ハンドルをひいて改革を行おうとしても動かなかった。上の地位につけばつくほど難しくなった」と述べ、その理由として、英国政府の性格が変化し、権力は、非政府団体が持つようになり、首相であっても決定権がなかったと述べていたそうです。
日本的な表現で言うと、業界の持つ既得権益の壁を打ち崩すことができなかったと言うことでしょうか。英国の事情については詳しく無いため、リズ・トラス氏のやろうとする政策が、英国にとって良かったのか、そうでなかったのかはわかりません。まだ49歳という若さで、思いきった改革をしたかったのでしょうけど、うまく舵取りができなかったのかもしれませんね。
それからリズ・トラス氏は、「世界の深層」に出演した後は、広島に行っていたことが報道されていました。
8月28日 #広島県 平和推進プロジェクト・チーム
— やきると (@ygd862) August 28, 2024
リズ・トラス元英国首相による湯﨑知事表敬についてhttps://t.co/fMLTou9gZb
🇬🇧リズ・トラス元英国首相が🇬🇧
— 広島県 (@hiroshima_pref) August 29, 2024
玉井副知事を表敬訪問されました
平和記念公園を訪問された際の
ご感想を述べられ、
核兵器をめぐる国際情勢や
広島の平和の取組について
意見交換が行われました。 pic.twitter.com/ClfF8QqHvZ
「二度と繰り返さないために努力を」イギリスのリズ・トラス元首相が平和公園に 核保有・英国首相経験者の訪問はサミット以降2人目 広島#RCCニュース #newsdighttps://t.co/zXOKFJtpbu
— RCCニュース (@rcc_dig) August 31, 2024
世界開発協力機構とは
最後に、今回の「世界の深層」は、日本国際フォーラムと、深見東州先生が総裁を務める世界開発協力機構の共催で行われました。このような政治に関わるシンポジウムを開催すると、深見東州先生がワールドメイトの教祖であることから、政治と宗教の癒着のように思う人もいるようです。
まず、世界開発協力機構は、福祉・学術・教育等における支援や国際協力活動を行うNPO法人で、宗教的な活動はもちろんありません。支援の見返りを求める企業や団体もあるようですが、世界開発協力機構が、これまで何かを支援するかわりに、何かを要求しているようには見えません。そこは今問題となっている旧統一教会などとの大きな違いでもあります。
それから、政治家に関しては、ワールドメイトが超党派で、与野党を縦断して数十人の政治家を応援しているため、献金額がメディアに取り上げられたこともあります。それを見て政治と宗教の癒着ではないかと思う人もいると思います。
ただし、金銭的な支援はしていても、応援の選挙活動はいっさいしていません。誰々に投票しようなどという指示も、過去に一度もありません。見返りとして政策に口を挟んだり、何らかの要求をした形跡がないことも、政治の界隈をはじめメディアにも広く知られていると思います。
そもそも宗教団体からの献金は、企業同様に限度額までは合法ですが、日本では、今後政治資金規正法がさらに変わる可能性もありますね。ただ、米国などを見ると、日本とは比較にならないほどのお金が選挙では集められています。自分たちの望む政策を行なってくれる人に、堂々と多額の資金をつぎ込み、選挙活動をしている現状を見ると、現在のような形で民主的な選挙を続ける限り、政治と金を切り離すのは現実的には難しいように思えます。