第25回高校生国際美術展、半田晴久会長(主催者代表)のお話から

2024年度も、8月7日から18日まで、国立新美術館にて高校生国際美術展が開催されていました。今年は書の部が9766点、美術の部に1440点の応募がありました。その中から一次審査を通過した書の作品1518点と、美術作品309点が入選となりました。

一次審査には、書の部でしたら、書道関係者、書の教育にあたる専門家や学者さんたち10名が審査にあたります。さらに2次審査では、そこから各賞が決定されます。そこでも新たに6名の専門家が吟味して、公正な審査によって賞が決まります。

美術も同じような形で、多くの専門家が一堂に介して、品評を繰り返しながら決まっていくようです。書と美術で1万点を超える応募作品がありますから、高校生に特化した、非常に大規模なハイレベルな美術展になります。

今年の高校生国際美術展の展示作品

今年は、時間の都合がつかづ行きそびれてしまいました。昨年度は本当に絵画も立体作品も、創造力に溢れる力作に圧倒されました。書の作品も美しく素晴らしいなと思いました。今年も、おそらく昨年と同様に素晴らしい作品がたくさん展示されていたことでしょう。

実物を直に見るのが一番ですが、ざっと展示作品を見せてくれる動画があります。(限定公開)

去年の展示作品は、インパクトが強い作品が多くあったような印象があります。今年の作品は、まじかで見てないので分かりませんが、映像で見る限りは、去年よりは日常を感じさせる作品が多いような気がします。

文部科学大臣賞の「黒鯨」、内閣総理大臣賞の「Nostalgia carousel」、キングズ・ファウンデーション賞「Look up to」などなど、ぜひ実物を見てみたかったですね。

半田晴久 世界芸術文化振興協会会長の挨拶

第25回高校生国際美術展の表彰式はリッツカールトンにて、展示会に先駆けて行われました。主催者である世界芸術文化振興協会の半田晴久会長(深見東州先生)の挨拶では、この美術展の特徴として、「高校生はおとなのはじまりであり、発展の余地があります。一般の美術展では完成した良い作品が賞をとりますが、高校生国際美術展では、荒削りでも良いからキラリとひかり、個性のある絵や書に賞を与えようというのが審査の基準になっています。学校名や個人名を伏せて品評するので、癒着などはなく、公明正大に審査しています。」との説明がありました。

また、海外の作品で、優秀な生徒を日本に招待して表彰する意義についても説明されました。できるだけ若いうちに国際交流をすることで、世界レベルの意識や感覚を持つ高校生を育てるために行なっているそうです。日本の高校生と海外から招待した高校生たちが、毎年一緒にバスツアーで箱根に行き、交流を深めています。

未来ある若者たちへの進路についてのアドバイスもありました。「17、8歳で人生の方向性を決められるはずがないし、しかし、決めないと前に進んでいかないので、とりあえずで進路を決めればいい。そのあとで、人との出会いや知識と経験を積むうちに、これだと思った時から学び、プロフェッショナルになればいい。世の中にはそういう人たちがたくさんいます。今後どんな方向に進むのであれ、芸術との縁は忘れずに心に残してくれればと思います」

また今回の入選作について、「今回どれもデッサン力と色彩が素晴らしい。きっちりとかかなければいけないと思うと、真面目すぎてしまう。芸術を追求すると壁を感じますが、それを超えるとなんでもありになります。」と、個性の大切さについて言及されていました。

さらに「芸術の根幹にあるのは『詩心』です。詩心がなくなると、絵を描きたいとか、書を書きたいとか、そういう芸術に対する心が消えてしまいます。詩心を持ち続ける限りは、ずっと芸術家でいることができます。」とのことです。

スポーツニッポン8月14日付紙面より

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