衆院選挙が公示され、いよいよ本格的な選挙運動の火蓋がきられました。今回の選挙は、かなり有権者の関心が高いと思われますが、ネットの動画で党首討論会が放映されるなど、今までにない選挙の形も出てきています。
そのわりには、ツイッターやフェイスブックなど、ネットの媒体を使った選挙運動は公職選挙法にひっかかるというのでダメなのだそうです。支援者がネットで呼びかけてもダメなのだそうです。
はっきりいって、このネットの時代に、それはないだろうという気もしますが、ネットでの発進力がある一部の政治家にとっては大変痛い話でしょう。
もともと資金が多い政治家に有利にならないようにと、公職選挙法で、決められた法定ビラやポスター以外の「文書図画」の頒布や掲示を禁じているのですが、候補者がHPやツイッターなどで政策を訴えるのも文書頒布の一種とみなされ、告示・公示後は更新ができないのだそうです。
実態はむしろ資金が少ない若い政治家ほど、ネッによる選挙運動は、お金がかからずにできる効果的な方法だといえます。
そのように、今の時代にぞぐわない矛盾を感じつつ、現国会議員は、積極的に改めていこうという姿勢がないようですが、維新の橋下氏などネットでの発信力の強い政治家を封じ込める意味もあるのでしょうか。
いずれにせよ今回は無理だとしても、次回あたりからはネットも解禁になっていくのかもしれません。
ところで、話は変わりますが、カタールのドーハで開かれている気候変動枠組み条約第十八回締約国会議(COP18)の状況が気になるところです。
温室効果ガスを削減するための唯一の国際ルールである京都議定書は、この年末で約束の期限が切れます。しかし、その後のルールは、途上国と先進国との主張の対立によって、いまだに有効なルールが決まっていません。
この会議で国連の潘基文事務総長は「気候変動は人類の脅威だ」と述べ、「妥協の精神で臨んでほしい」と各国に呼びかけました。今回の会議では、2015年までに全ての国が参加する、新たな温暖化対策の枠組みづくりが合意できるのかどうかが、大きな焦点になります。
ワールドメイトでも、2012年までが地球温暖化による災害を防ぐひとつの大きな節目になるであろうことを数年前に聞いています。ですから、なんとしても良い結果が出せることを望みたいのですが、現状はかなり厳しいようです。
まず、もっともエネルギー効率が進んでいる日本が、中国などの参加なしには温暖化防止の実効性がないとして、2013年以降も延長が決まっている京都議定書の削減義務受け入れを拒否しています。日本は、これまでの京都議定書の、この5年間で1990年と比べて平均6%を削減するという削減義務については、なんとか達成することができるということでした。
これは実は大変素晴らしいことです。原子力発電が使えなくなって、昨年からかなり温室効果ガスの排出は増えているそうですが、それでも今回の約束を果たせる見通しがついたそうです。
ただし、もともとが省エネ技術の発達で、京都議定書締結前から、限界に近い効率良いエネルギー消費をしていたのが日本です、そこからさらに高いハードルを背負い込んで、さらに福島原発の事故がおきた上での達成ですから、ものすごい努力があったのだと思います。
原発事故以降は、民間でもエネルギー節約の機運が大いに高まったことも、結果として省エネにつながり、良い結果を招いたのでしょう。
そんな日本の状況ですが、国益上、さすがにこれ以上は次の第二約束期間の削減義務受け入れをできないというのも、無理からぬところかもしれません。しかし、先の鳩山前首相がぶちあげた、温室効果ガスの排出量を90年比で25%削減する国際公約までは取り下げないようです。
いずれにせよ地球温暖化による重大な危機は、このままいけば避けられないというのはわかっているわけです。
前回の京都議定書を離脱した米国は、このたび大災害をもたらした驚異的なハリケーンを体験しました。中国も、ここ数年、毎年のように洪水などの異常気象が頻発し、国力を削がれています。
どこも、気候変動への危機感を強めていると思います。中国、アメリカも含めて、どこかで世界全ての国が積極的に協力して取り組まざる得なくなる日は必ず来るわけです。
昨年、世界の二酸化炭素排出量は過去最高だったそうです。今年はさらに悪化しているかもしれません。願わくば、取り返しがつかないほど手遅れにならないうちに、世界中の国々が妥協して、手を結ぶ日が来ることを祈らざる得ません。ワールドメイトに行くと、いつもそのことを祈ってしまいます。
今回の会議で、日本の立場は苦しいかもしれませんが、これからの温暖化対策をリードする位の気持ちで、閣僚クラスの会議での進展に期待したいと思います。