深見東州(半田晴久) 氏の年間イベント一覧
ワールドメイトのカンボジアでの支援活動の歴史(2)〜医療システム崩壊の中での医療福祉活動〜

前回、カンボジアの戦後の歴史を簡単に振り返ってみましたが、ポルポト政権が倒れた後も、しばらくは国内で内戦が続き、かなり落ち着いてきたのが1990年の中頃と言われています。

それでもまだ、プノンペンでも治安に不安があったそうですが、ちょうどその頃、深見東州先生はカンボジアを訪れ、荒れ果てた国の惨状を肌で実感されたそうです。何よりも病院がなく、医師もいないということで、病に苦しむカンボジア国民の窮状に心痛め、24時間無料救急病院を建設することを決断されます。当時カンボジアでは、人口3万人に対し1人の医者しかい状況だったそうです。日本では500人に1人と言われていた頃です。ポルポト政権時代に、知識階級の人々を無差別に殺害し続けたことが原因です。

 

 

24時間無料救急病院「シアヌーク病院」を設立、キリスト教系のホープ・ワールドワイドと共同運営

その24時間体制の無料救急病院は、シアヌーク病院と名付けられ、米国キリスト教系の医療法人「ホープ・ワールドワイド」と協力して海外の優秀な医師を確保し、近代的な医療設備を備えて、1996年12月から運営が開始されます。

治療を必要とする大勢の人々がいるのに病院もなく医師もいない、また病院があっても貧しくて医療を受けることができない人々がほとんどの当時にあって、このシアヌーク病院では、無料で高度な医療を施してきました。また、多くの他の病院にも医療技術を指導するなど、多くの役割を果たしてきました。そして2003年に第2病棟を、2004年には第3病棟をワールドメイトの支援によって増設し、年間10万人近くの人々の治療にあたってきました。

 

シアヌーク病院

 

ワールドメイトは、特定医療に限定しない医療費用、当時400人近いスタッフの人件費や運営費、水道光熱費など、運営の根幹を担う部分を負担し続けてきました。また、グローバルファンドや、アメリカのODAにあたる公的資金の導入には、ホープ・ワールドワイドが担い、エイズや結核、マラリアなどの治療に限定してあてられてきました。

そのように医療法人「ホープ・ワールドワイド」との共同運営により、約20年間に170万人の治療にあたってきたシアヌーク病院ですが、カンボジア政府もこのシアヌーク病院をモデルに、プノンペンで無料診療をするよう義務付け、この数年でどの病院も一定数の割合で無料診療を行うように変わってきました。

それで、シアヌーク病院の無料診療を受けに来る人も少なくなってきたそうです。これは喜ばしいことでもありますが、急速な経済発展にともない、生活が豊かになり治療費を払える人も増えてきましたので、2015年からは求められるような高度な医療や、専門化した病院に脱皮し、運営全てを医療法人「ホープ・ワールドワイド」に委譲することにしたそうです。ワールドメイトもある程度の支援は引き続き行うそうです。

 

急成長を遂げるカンボジア経済、地方では貧困に苦しむ

カンボジアは高い成長を続けるアジアの中でも屈指の成長を遂げ、最低賃金も2012年の月60ドルから、2018年には170ドルまで上昇しています。一人当たりの名目GDPも右肩上がりで、2018年には1500ドルを超えましたが、世界の平均からすると、その1割弱というとても低い水準です。ちなみに2018年の日本の一人当たりの名目GDPは約39300ドルでした。

2011年にアジア開発銀行が公表した資料によると、カンボジアの828万人が1日2ドル未満(地方では人口の9割が1日1ドル以下)で暮らす貧困層と推定されていましたが、今は、その時よりはかなり改善されていると思います。2017年の時点での人口は1600万人になります。

 

首都プノンペンはまだしも、地方との格差は激しく、まだまだ貧困に苦しむ人々がとても多いカンボジアです。その中で第2の都市(最近は第3の都市に)と言われるバッタンバンにおいて、2012年の3月からワールドメイト・エマージェンシー・ホスピタル(ワールドメイト救急病院)という外科病院の運営を始めました。

この病院は、イタリアの医療支援のNGO「エマージェンシー」が無料で診療し運営をしていたものですが、本国の不況により運営ができなくなり、カンボジア保健省から深見東州先生に引き継ぎを検討してもらえないかとの依頼がきたものです。そこでハンダ・ファウンデーションが、この病院の資産と宿院を引き継ぐことになり、翌年6月からはワールドメイト・ファウンデーションに正式に移管され、名前もワールドメイト・エマージェンシー・ホスピタルとしてカンポジア保健省から認定されました。

 

ワールドメイト・エマージェンシー・ホスピタル(ワールドメイト救急病院)

バッタンバンで、ワールドメイト救急病院の果たす役割

このカンポジア北西部に位置するバッタンバンは、隣国タイに奪わていた歴史もあり、また、ポルポトの活動拠点でもありました。カンボジアでは今でも地雷による被害者が多数出ていますが、1996年の時点では、地雷が推定800万個以上埋まっているとも言われていました。ベトナムやアフガニスタンはもっと多いそうですが、カンポジアでは4万人が地雷で死亡し、4万人が地雷のために四肢を切断したと言われています。これらの地雷は、内戦においてポルポト軍や政府軍、ベトナム軍が埋めたものであり、また国民が逃げられないようにするため、ポルポト軍によって国境近くに埋められたものも多いと言われています。

 

 

地雷を撤去するには一個あたり200ドルから1000ドルかかるそうですが、費用を抜きにしても、いまだに400~600万個ある言われる地雷を完全に撤去するのは不可能ではないかとも言われています。

そのような地雷による被害が多いのが、このバッタンバンです。このワールドメイト救急病院にはカンボジア随一の外科の先生もいるそうですが、1998年に年間1000人もの地雷被害があった時の半数はこの病院で治療を受けたそうです。いかにこの地域に地雷の被害が多いのかがわかりますが、2013年にはそれが200人以下にまで減ってきたそうです。

ただし、交通事故による外傷が激増していて、しかしカンボジア北西部には、外傷患者に対応できる病院が少なく、特に複雑な外傷になると外傷専門であるこの病院に来る人が多く、さもなくばプノンペンまで5時間かけていかなくてはならなかったようです。カンボジアでは、交通事故による外傷が2012年から急増し、2015年からは新しい交通安全法が成立し、横ばいになってはいるものの、今日では、HIV、マラリア、結核の合計よりも多くの犠牲者を出すまでになっているそうです。

 

この病院の2016年12月までの統計によると、2016年は2万人を超える患者に医療を提供したそうです。ひと月にすると1700人を超えますが、そのうち半分が外傷の患者で、さらに200人が大手術を受け2週間入院しているそうです。残り半分はモバイルクリニックで治療を受けた患者になるそうです。モバイルクリニックとは、標準的な診療機器を積んだミニバンなどで、病院の勤務医が一般の開業医がいない貧困地区などを定期的に巡回する移動診療所のことです。

この病院では、患者の収入に関わらず、高度な医療とケアを平等に施すことを目指しています。地雷の被害者と貧しい人々には常に無料で治療を提供し、2013年から2016年までの患者の55%はそのような患者だったそうです。残りの45%は、一部か全部の医療費を払えるそうですが、このように無料で治療できるのは、ワールドメイト会員からの惜しみない寄付によるものだそうです。

 

また、高い医療レベルを保つためには、カンボジアの医大だけでの訓練では到底足りず、地域から熟練した医師や看護師を雇うことも困難だそうです。そのため海外の医療専門家による追加訓練を3年くらい集中して行うなどして、質の高い医療水準を保つ努力をしているそうです。

長期の外国人医療専門家を募集することに加え、スタンフォード大学、カーティン大学、そしてロンドン衛生学部から医療専門家を連れてくるパートナーシップを確立したそうです。おそらく、深見東州先生と交流のある大学ばかりなので、その賜物かと思われます。 また、管理チームは若いカンボジアの外科医が上級外科医になるために必要な理論的、技術的スキルを学ぶのを助けるように設計された3年間のトレーニングカリキュラムを開始したそうです。

そんな状況の中で、患者数は年々増えており、病床数も110あるとはいえ、命の危険にさらされている人を優先するなどして、受け入れ総数を制限しなくてはならないほどだそうです。日本では想像つかないような状況と困難があるカンボジアでの医療福祉活動は、民間で対応できる範囲をはるかに超えているようにも思えます。

 

その中でワールドメイトでは、スタッフ200人からなるこの病院の運営費用をワールドメイトファウンデーションを通じて支援し、運営はハンダ・ファウンデーションが行っているようですが、資金源の多様化を図り、交付金やチャリティイベント、寄付金の募金活動なども行っているそうです。薬品の現物寄付や、無償のボランティアにも助けられているそうです。

 

ハンダ・メディカル・センター

 

そしてこの病院のキャンパスに隣接して、2013年にハンダ・ファウンデーションが運営するハンダ・メディカル・センターが設立されました。そこでは有料の診療を行っているそうですが、高品質な医療の提供と、若いカンボジアの医者と看護師の職業訓練を行い、年間で24,000件もの診療を行っているそうです。そこで得た余剰金をワールドメイト救急病院の無料診療を支援するために使っているそうです。2018年に、ハンダ・メディカル・センターはアジア・ホスピタル・マネージメント・アソシエーションから、2つの優秀賞を得るという栄誉を得たそうです。

 

 

ちなみに、ハンダ・ファウンデーションの資金も、多くはワールドメイトが支援しているそうですが、カンボジアではハンダという名前に影響力があり、政府援助も受けやすく、また、他の宗教グループからの支援も得やすいとの海外事情もあり、現地スタッフの希望によってハンダ・ファウンデーションという国際NGOが、2012年に設立されたそうです。つまり、これまでの深見東州先生がカンボジアで行ってきた実績の上に成り立っていると言えますね。

最初は、カンボジアの辺境の諸州に住む、最も貧しい人たちを救うというビジョンで、2012年にスタートしたそうです。現在、ワールドメイト・ファウンデーションとワールドメイトファウンデーションの2つがカンボジアの福祉活動の母体となっています。

 

アンジェリーナ・ジョリーも病院を訪ねてきたことがあるようです

 

 

福祉活動と一口に言っても、それを実行し求める人々にとって有益な活動にするためには、資金確保はもちろん、様々な機関とも協力しつつ、前述したような様々なことをやらなくてはならないことがわかります。真に役に立つ福祉活動を行うことがいかに大変なことなのか、それを継続するためにはどれほどのエネルギーと工夫と時間と資金と忍耐を要するのかを知れば知るほど、頭がさがる思いです。

たまに、このようなカンポジアでの福祉活動や、あるいはブラインドゴルフの支援もそうですが、深見東州先生やワールドメイトのイメージアップのためにやっているかのように言う人も世の中にはいらっしゃるそうです。しかし、実際の現場のことをよく知れば、そのような考えは起こらないでしょう。もっと労力も費用もいらないものを行っているのならともかく、そんな生易しいものではありませんからね。そのような中途半端な志や目的でやっているのでしたら、このような福祉医療活動をカンボジアで10年も20年も継続してやれるだけの忍耐も費用捻出も到底続くものではないと断言できます。

 

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