深見東州(半田晴久) 氏の年間イベント一覧
東洋経済の深見東州インタビュー「宗教は実業と共存すべき」を読んで

少し前のことですが、週刊東洋経済月1日号に、大々的な宗教特集が組まれていました。見た方もいると思いすが、カネと権力というサブタイトルで、9つの宗教団体のことが取りあげられ、そのうちの一つにワールドメイトもありましたね。宗教団体全般に関して、いろいろと参考になる記事もたくさんありました。ワールドメイトに関しては目新しいものは書かれていませんでしたが、代表である深見東州先生へのインタビューが少々掲載されていました。

東洋経済の深見東州先生へのインタビューのタイトルは、「宗教は実業と共存すべきだ」となっていました。このタイトルは東洋経済がつけたものでしょうけど、個人的には少々誤解を招く表現のような気もしました。たとえば宗教家は実業家と共存しても良い、あるいは共存したほうが良い、というのが真意に近いように感じます。

このタイトルだと、宗教団体(ワールドメイト)が実業(株式会社)と共存すると言う真意が、宗教団体も会社と同じく利潤追求の組織という意味に勘違いする人もいるのかなと思いました。もちろん、それは違いますけどね。

内幕4|ワールドメイト(週刊東洋経済プラス)

新聞や電車内の広告でよく見掛ける『強運』などの本の著者、深見東州氏(67)。奇妙なコスプレ広告で有名な予備校「みすず学苑」の学苑長だけでなく、本名・半田晴久の名義で腕時計の卸商社や出版社を経営している。

深見氏が総裁を務めるNPO法人「世界開発協力機構」は今年3月、米国のオバマ元大統領を日本に招聘した。同機構はこれまでにも英国のブレア元首相など世界的な大物をゲストに招いている。別の財団では芸能人のチャリティコンサートも頻繁に行っている。イベントのたびに自らの顔写真入りの新聞広告を全国紙などに掲載している。

そんな彼は神道系の新宗教・ワールドメイトの教祖でもある。

宗教家であり、実業家であることは可能?

私は20代初めの頃、社会で働くことは生活するためもありますが、自分をもっと磨きたいと思って働いていました。実家は商売をしていたので、お金を稼がなくてはなんの保証もないし、生きていけないことも痛切に理解していました。母は商売の厳しさ大変さを知っているので、私には公務員になって欲しいと思っていたようですけどね。

個人的にはどんな理想があっても良いですが、会社としてはまず利潤を生み出すことができないといけません。早い話が金儲けができない会社ならば存続意味がないと思っていました。当たり前のことですけどね。

一方、宗教に対するイメージとしては、宗教家というのは清廉潔白な人格者であり、弱い人の味方であり、自分が貧乏してでも、人のために尽くす人というような漠然たるイメージを抱いていました。おそらく、キリスト教を少し学んだことがあったので、その影響もあったのだろうと思います。

当時の世間において、会社やビジネスは、なんだかんだ言ってもまずお金を儲けること。宗教は貧しい人や苦しい人を助ける役割があるもの、というイメージがあったように思います。

したがって宗教家と実業家は相反する存在であり、金儲けを追求する実業家が宗教家になれるはずがない。もし実業家が宗教家をするなら、それは金儲けのための宗教ではないかと、そんなイメージを私自身も持っていたように思います。

しかし、実際はそうではないことに気がつきました。

一例として、西宮戎神社の十日えびすのお祭りを知らない人はいないと思いますが、あのお祭りでは、もろに商売繁盛を願います。私の父は根っからの商売人で、特別な信仰はなく、無神論者に分類されそうですが、毎年このお祭りだけは熱心に足を運んでいました。

このお祭りに限らず、全国の有名神社に行けば、ほとんどの神社では商売繁盛、家運隆昌、などの祈願が設けられ、多くの人がそのような願い事を玉串料を捧げて神々に祈願しています。

実は仏教でも、御護摩祈願で現世利益の願いを大々的に行なっているところもあり、成田山新勝寺や川崎大師などは、毎年、日本でもっとも参詣客の多い寺院の一つになっているほどです。日本では、ともすると現世や俗界に否定的と思える仏教思想も、神道の影響を強く受けているのか、現世利益を大事にするところもあると思います。

これらの例から分かるように、神道はこの世の現世利益をとても大事にする、現世の繁栄を肯定する宗教だということが言えるでしょう。少なくともキリスト教の教会では、このような現世利益をもろに祈願するようなことはやっていないと思います。日本の寺院でも、多くは先祖供養は行いますが、神社のように現生利益をもろに祈願する寺院は少ないと思います。

とは言っても、日本にいるクリスチャンや仏教徒が、この世の繁栄を否定しているわけではないと思いますし、普通に仕事を一生懸命にやって、自己実現をしたい、大きな仕事をしたいと思っている人も多いでしょう。それらは人間の欲求の本能的なものだと思いますので、キリスト教や仏教を信仰する人でも、この世の繁栄を大事にする人は多いと思います。ただ教えとしては、現実の世界よりも死んだ後の世界により重点がおかれていたり、あるいは脱俗的になる思想があるのだろうと思います。

以上のことを理解できると、日本の神道的な土壌においては、実業家であると同時に宗教家である人物が出てきたとしても、それほど矛盾しないように思いました。それどころか、むしろ現代においてはますます経済が重要になっていますから、宗教家が経済のことを理解していないほうが、よほど不都合になる気がします。

やはり宗教家も経済社会の中に身をおき、実業家やサラリーマンというものを体験しないと、世の中のリアルな苦しみや葛藤を深く理解するのは難しい気がします。庶民の苦しみや悩みを解決するのも困難ではないかと思います。下手をすると、世間から乖離した存在になりかねない気がしますね。

週刊東洋経済のインタビューで、深見東州先生は「なぜ教祖をやりながら実業家なの、とよく聞かれるが、私は生きた宗教とは時代を反映する存在であると考えている。国民の8割がサラリーマンやOLという経済の時代、私自身もビジネス社会に身を置き会社経営をすることで、10円、100円の尊さがわかる。それでこそビジネス社会で人が何を求め、何に苦しんでいるのかが感じられる。庶民に寄り添った生きた宗教が実現できる。山寺にこもってもなんの意味もない。現世での繁栄と幸福、また魂の向上を求めるのが、神道をベースにしたワールドメイトの思想だ」と答えられていました。

巷の喧騒を逃れて、静かに癒しを求めたいのであれば、山奥のお寺を尋ねる意味も大いにあると思います。私も行くことがありますし、美しい自然が残る山々峰々には、人々を元気にしてくれるものがあると感じています。ただ人里離れて修行し悟りを得ても、ビジネス戦線の真っ只中で磨かれる修行も無いと、宗教的な覚醒があったとしても、社会において、役に立てることはできないのではないかと感じています。

ちなみにワールドメイトでは、出家修行者の逆を行く、この世での生活の中に修行があるという捉え方をしていると思います。言うまでもないことですが、滝に打たれるようなことはしませんし、山籠りなどもしません。社会の中で普通に暮らし、仕事に励み、家庭を持ちたい人は持つし、持たないなら持たないでもいいし、人を大事に良識ある行動を心がけながら、その中において信仰心を養いつつ、自己を錬磨するように心がけています。

念のため、誤解のないように付け加えますが、現世利益を求めるのが神道の信仰の本質というわけではありません。現実の繁栄を大事にしていますが、現世利益は信仰に至る過程において必要なもの、あるいは入口のような位置付けのものだと思っています。

ご利益に対する解釈もいろいろあると思いますが、現世利益を願う宗教は邪道ではないかという意見もあるようです。過度な欲望を捨て清らかな心で神仏に感謝する心が大事ということでしょうけど、いきなりそのような境地にいける人も少ないでしょう。

おそらく、いきなり清らかな心を追求していると、世間の悪どい人たちからいいようにされ、ひどい目にあうことになると思います。それにまた、現世利益がなければ、なかなか幸福の実感を感じることができず、信仰をやめてしまう人も出てくるかもしれません。

そのようなことを神仏は願ってはいないと思います。だからといって、現世利益のために信仰し、それで終わっていては、それも神様の願いとは違うと思います。現生利益を得たとしても、そこから先が大事になると思っています。

そもそも現世利益も、ただ願えば叶うものではなく、ワールドメイトでも神社でもほぼ共通した、神様から見た願いが叶う基準のようなものがあると思います。そういうものを学び、心がけていくことで神仏が応援し、結果として願いが叶いやすくなるのが正しいと思います。そのような積み重ねと体験をしていくことが、長く繁栄する道にもつながっていくと思っています。

ビジネスをする最大の目的は民衆の教化

海外の著名政治家、音楽家を招く異形の宗教家(週刊東洋経済プラス)

──展開しているビジネスの概要について教えてください。

実業のメインは高級輸入時計卸・小売りで、日本で3番目の時計宝飾店となる。ここだけで年商50億円を超えている。予備校「みすず学苑」や家賃収入も加えると年商は86億円だが、出版業を加えると110億円を超える。その他の事業や公益活動も加えたら、国内で250億円くらい。大企業ではないが、中堅の事業体といったところだ。

それからインタビューでは、もう一つ大事なことが書かれていました。

「私がビジネスをする最大の目的は民衆の教化だ。単なる金儲けや活動資金の獲得ではない。それで私は天啓によって予備校に参入し、時計の卸商社を始めた。出版は布教のために必要だからやることにした。もちろん、予備校では普通の受験勉強を教えるし、腕時計の販売事業も宗教とは切り離される。ただ、私の中では宗教と実業とは共存している」

先ほどまでの内容とも重複しますが、「経済の時代」なので、経済活動に真っ正面から取り組み、事業を起こし、経営して勝ち抜いて行く実力が求められる時代になっています。そんな時代に、宗教家として人々を教化し導くのなら、当然そのような経営者としての一流の実績と能力があるほうが良いに決まっています。それでこそ、社会の奥深い部分まで理解でき、社会人としての生き方なども含めて、総合的に対応できるのではないでしょうか。だから、「ビジネスをする最大の目的は民衆の教化」という言葉が出てくるのだろうと思います。

それをせず、世間から離れて修行したとしても、おそらく現代の悩める人々の救済には、具体的に結びつかないでしょう。また、世界のリーダーや政治家、有能な芸術家、スポーツ選手、芸能人たちとも交流し、協力して社会のために大きなことをやろうとしても、そのような成功者からは、あまり相手にされないかも知れません。

それから、そのように最大の目的は民衆の教化であり救済であっても、宗教活動とビジネス活動は区別されています。ときどき深見東州先生が経営されている予備校のみすず学苑のことを、宗教(ワールドメイト)系の予備校と思っている人もいるそうですが、それは勘違いをしています。宗教系の学校は教育熱心で優秀な学校が多いと思いますので、別にそれはそれでも良いのかもしれませんが。

ミッションスクールなどは、創立の母体がキリスト教の組織で、その後も資金援助を行ったり、宗教の科目や礼拝があるところもあります。しかし、みすず学苑はそのようなケースに全く当てはまりません。ただ学苑長がワールドメイトの教祖もしているというだけで、ワールドメイトが創立したわけでもありません。そもそもみすず学苑の創設の方が十年ほど早いわけですから。

もちろんワールドメイトからの資金援助もありませんし、少人数制の普通の授業をする予備校になりますね。難関校への合格率が高く、偏差値が上がる予備校という評判ですので、創立者の宗教的な情熱が、熱心で面倒見の良さにつながっていることは大いに考えられますが。

深見東州先生の他の事業も同じだと思います。出版業のたちばな出版も、宗教団体の出版部門ではありませんから、当然税金の優遇もなく、普通の出版社と同じ扱いになっていると思います。深見東州先生の著作が多いですが、スピリチュアル系以外の、純粋な芸術作品や文芸作品、ビジネス書もあります。また、様々な分野の著者による良書の刊行も行っています。

ここ数年で大きくなっている株式会社ミスズの時計部門も、予備校と同じくワールドメイトができる10年近く前から始まっていると思いますが、他の事業同様に、ワールドメイトの資金で経営しているのではありません。それらのことは、テレビの取材番組でもはっきりと言われていました。そもそもそんなことをすれば、税務署が黙ってはいないでしょうからね。

今回の東洋経済の宗教特集によると、「信教の自由をたてに開き直る宗教界への疑問」ということで、宗教団体は収支をひた隠し、所得をごまかしてきたかのようにも読めます。もちろん、そんなことが過去一部の団体にはあったのかもしれません。詳しくは知りませんが、宗教団体の管理には、様々な問題があるのも事実なのかもしれません。

ただ、ワールドメイトに関しては、これまで何度かマルサや税務署の査察がきていることをワールドメイト会員は皆知っていますが、それで何も問題がなかったというのが結論になっています。不正な経理があれば税務署が見逃すとは思えませんし、そこは、ワールドメイトと税務署を信じるしかありません。

そのように、ビジネス活動とワールドメイトの宗教活動を混同せず、法的にも財政的にも明確に区別されていることが、客観的な事実からも明白になっていると言えます。

ワールドメイトの年間収入と使途について

最後に今回のワールドメイトの記事では、前にもどこかの雑誌に書かれていた記憶がありますが、ワールドメイトの年間収入も書かれていました。決算報告が会員にも公開されているのでわかりますが、年間110億前後の収入のうち、かなりの割合を弱者救済や、社会の多くの人々に益する活動のために使われています。ワールドメイトの公式サイトに掲載されている以下の文とも、矛盾するものではありませんでした。

ワールドメイトの会費収入は、年間約10億円ありますが、この10億円は、そのまま弱者救済のために使われます。それは、カンボジアを含めた、ラオス、アフリカ、中国、イギリス、アメリカ、豪州、日本など、世界に広がります。また、障害者のための世界的福祉にも使われ、スポーツや芸術でも、弱者救済の局面に使われるのです。10年で100億円、20年で200億円になります。会費以外の、通常の皆さんのお玉串で、組織を運営し、文化、芸術、スポーツの振興を進めてるのです。こうして、会員数が増えれば増えるほど、確実に弱者が救われる仕組を作ったのです。

 ということで、まだ書き足りない部分はありますが、東洋経済の雑誌やインターネットの記事を読んで、とりあえず思いつくままに書いてみました。長くなりましたので、また別な機会に続きを書きたいと思います。

おすすめの記事
新着記事