深見東州(半田晴久) 氏の年間イベント一覧
第5回世界オピニオン リーダーズ サミット、難しい国際情勢の中で今後の日本は

国内では桜を見る会のことで、一部の政治家やメディアや人々が騒いでいますね。本当にこんなことばかりをメインに大騒ぎしていると、かえって不信感を持つ人が逆に増える気もしますが。

野党は現政権の綻びを見つけないと出番が回ってこないからでしょうけど、それに乗っかり煽るメディアもかなりいます。自由な発言や報道の自由は必要ですが、一部では、言ったもの勝ちのような感じになっているようにも感じますね。結果として、少しづつ日本の社会も分断化していくような気がして、少し残念な気持ちにもなりました。

それでも欧米に比較するとマシなのかもしれません。民主主義と自由経済で世界をリードしてきた欧米諸国のいくつかでは、今、社会の分断が急速に進み、安定した政権が維持しにくくなっていると言われています。

中国のような価値観の違う、独裁的な国が伸長しているなかで、そのような有様で今後、うまくコントロールし、世界秩序を守っていくだけの力を発揮できるのか、個人的にはとても不安になることもあります。

そんな危機感を抱かせる現在の国際情勢ですが、先月、カナダ前首相のスティーブン・ハーパー氏を招聘して、世界オピニオン リーダーズ サミットが東京で開催されました。

スティーブン・ハーパー氏について、どんな方なのか、ほとんど知らずに参加しましたが、とても素晴らしい考えを持つ方のようでした。

ハーパー氏によると、欧米では伝統的な右派や左派とは違う対立軸が生まれているとのことです。最近よく言われる、ポピュリスト対エリートという構図のことですね。これまでの保守・リベラルの枠を超え、あるいは縦断する形でそのような対立軸が生まれているとのことで、政治の細分化が起こり、選挙で安定した政権をつくることが困難になってきていると言われていました。

欧米の民主主義国家では、グローバル化の反動からか、ナショナリストが台頭し、環境保護至上主義、ネオナチ政党も伸長し、その結果分断が進み、政治の細分化が進んでいるとのことです。

それでもハーパー氏としては、欧米の資本主義は変化に対応していくことができるとし、最終的には中国のような国家が強く関与する経済体制や独裁的な国に対しても、勝利していけるはずだと考えているようでした。

また、このような世界情勢の中において、G7 の果たす役割を強調していました。G7の構成国は、民主主義と資本主義の価値観と国益を共有していますから、一致団結して動くことができるからとのことです。

最近はG7はもう必要ない、G20で大事なことを決めていけば良いという意見もよく耳にします。G20 の経済規模は世界のおよそ8割を占めていますので、その意見も真っ当に思えますが、しかしまとまって決定を下せるのかというと、これまでの経過を見ると、なかなか困難なことがわかります。その意味では、ハーパー氏がG7を、これからの時代においても、とても重視していることは正しいように思えてきます。

そして、日本とカナダの両国はともに民主主義と市場経済志向のミドル・パワーの国であり、欧米諸国のような社会の混乱は避けてこられた国でもあり、他の国とも協力して世界秩序の維持に貢献すべきだと言われていました。

また、衆議院議員の松川るい氏からの、「一党独裁で安定した中国の強みは、意思決定が早く、20~30年先を見据えた長期的な政策が可能な点にある。長期政権の少ない民主主義国家は、どう対抗できるのか」との問いに対しては、「独裁的な政権であっても、長期計画が実現するかは疑問である。中国は改革開放路線で経済大国に成長したが、それは目標が見えていたからだ。躍進した最大の理由は、国内に数多くの起業家が育ったことにあり、自由経済を維持しないことには難しいだろう」と、現在台頭している中国の経済力は、政府の長期計画の成果ではないとの見方を示していました。

それに対し深見東州先生も、「ソビエトは5カ年計画、10カ年計画に失敗し崩壊した。民間の経済の活力、国民生活こそが肝だ」と応じられていました。

現代は、ITやAIなどの技術革新により、瞬時に情報を多くの人が受け取り、またSNSで自ら発信し、政治的なネットワークをつくることもできます。その結果、破壊と分断も広範囲に渡って予測以上に進んでいるとのことです。体制側の意見の重要性も低下していると述べられていました。

そして、経済のグローバル化については、冷戦終結により社会主義モデルの経済が終焉し、市場経済への移行によって格差拡大に繋がった国もあるが、約10億人の人々が貧困から脱却し中産階級になることができたとのプラスの成果を強調しました。

また、それらの変化によって生じた結果の一つが、中国の台頭でもあるそうですが、まさにその通りだなと思いました。しかし中国は、これまで以上に国家資本主義に向かおうとしているので、そうなるとこれまでのような民間の活力を維持できるのかは疑問ですね。そして、そのような国家統制による経済を、アメリカが明確に拒否し始め貿易戦争になっていますね。

その結果がどのようになるのか、世界の貿易が分断され、保護貿易に向かうのも懸念されますが、かと言って、何もせず成り行きに任せていても、根本的な問題は解決しないでしょう。今後ますます、大国間の間で、非常に困難な舵取りを日本も迫られることになると思いますが、その中で、やはり同盟国と協調していくことが、ますます大事になっていくことを今回のサミットから感じました。

そして、パネリストとして出席していた城内実衆議院議員が、「欧米のポピュリズムは、従来のエリートへの反発として出てきている。今後はリベラル対保守の対立を超えた考え方や、欧米とアジアの長所を取り入れている日本の価値観が世界で評価されるのでは」と云う意見に、少し救われた気がしました。

奇しくも、安倍政権が、歴代最長になったとのニュースがありました。長ければ良いと云うわけではありませんが、一昔前までは、日本は毎年首相が変わっていました。あれでは他国と対等以上の交渉ができるとは思えませんでした。

ドイツのメルケル首相も長い方ですが、そのメルケル首相が以前、中国にはよく行くのに、なぜ日本には来ないのですかと聞かれると、「日本の首相は毎年代わるから会っても仕方がないと思った」と言っていたのを思い出します。やはり世界からは、足元の政権基盤が盤石なのかどうかを見られ、短期政権とみられると相手にされないわけですね。

今回、ハーパー氏も在任中に会った歴代の日本首相のことを聞かれて、皆素晴らしい人だったが、毎年変わると関係構築が難しい。安倍首相が長期政権を維持することは日本の助けになるだろう、と答えていました。そして現在、先進国の中では、安定している政権が少ないだけに、以前に比べて世界での政治的な存在感も増しているように感じますね。

日本は、世界第二の経済大国として勢いがあった1980年代でも、政治的には3流国のような扱いでした。しかし、この一年で、皇室を通して、古くからの日本文化への関心の高まりと畏敬の念も感じますし、ラグビーW杯の大成功に続き、来年はオリンピック・パラリンピックの開催で、さらに日本への関心が高まり理解も深まることでしょう。政治的にも、世界の中で、力強い指導力が発揮できるようになることを願いたいです。

また、今回は立憲民主党の末松義規衆議院議員と自民党の議員の意見が一致する場面もありましたが、このような超党派で、意見を忌憚なく言えて、良い議論ができることも、世界オピニオン・リーダーズ・サミットの面白いところなのでしょう。

今回は、深見東州先生が総裁を務められる世界開発協力機構主催で、このような世界情勢を学べる機会に参加することができました。スティーブン・ハーパー氏も、カナダ首相退任後、マスコミの前で講演するのは、今回が初めてということで、とても貴重なサミットになったと思います。

こちらは、前日10月16日にホテルオークラで行われた、日本国際フォーラム主催のシンポジウムのようです。こちらでも、ハーパー氏は講演をされています。そして、世界開発協力機構も後援していました。

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