大阪でのG20首脳会議を前に、G20世界宗教サミットが、6月7日(金)から9日(日)まで千葉のホテル・ニューオオタニ幕張で開催されます。
総合司会に深見東州先生の名前がありますが、特別ゲストとして、英国のデイヴィッド・キャメロン元首相、エンダ・ケニー元アイルランド首相、ジョン・キー元ニュージーランド首相、ほか、ネルソン・マンデラ元南アフリカ大統領の晩年に夫人となった、グラサ・マシェル氏などの海外の政治家も来日するようです。
そして、宗教、民間団体、政府、学界から集まる世界的リーダーや専門家たちが一つになって、難民を含め人々が健康で安全に暮らせるために、また、異文化間における緊張や、高齢化社会、子供たち、衛生、地球環境を守るための不可欠な問題などについて、持続可能な開発目標SDGsを含むグローバルな課題に焦点を当てた会合が行われます。そして、G20における課題や世界的な政策課題に対応した、役に立つ洞察や提言を行う予定になっています。
今世界では、国家間における平和的で調和のとれた関係を促進する上で、信仰と宗教が果たす重要な役割についての認識が高まっているとのことです。しかしながら、信仰や宗教が社会福祉や、国際社会に影響を与える政策に積極的に貢献していることについては、まだ広く認識されているとは言えないそうです。そこで、この宗教サミットでは、そのような貢献を共有して、広く浸透させる意味もあるようです。
ワールドメイトでも、社会貢献に関する話題に関しては、めったにマスコミに取り上げられる機会はありません。ほとんどワールドメイトの公式サイトか、私のような個人サイトなどで触れられているくらいですね。日本ほどではないにしても、世界でも、概ねそのような傾向があるのでしょうか?
G20インターフェイスフォーラムの目的と歴史
このG20インターフェイスフォーラムの目的としては、4つのことがあるそうです。
1、情報にもとずく学術的な議論を通して、経済発展と信教の自由との関連性を探求する。
2、社会や経済、文化的な政策、すべての人の幸せのためのプログラムをどのように高めることができるかについて、信仰、政府、ビジネス、メディア、教育、社会機関のリーダーなど、複数のセクター間の建設的な対話を促進する。
3、異なる信仰間におけるコミュニケーション・チャンネルを育て、平和と調和を築くための最も効率のよい方法と経験とアイデアを共有する。
4.多様な信仰と哲学的伝統の中で、共通の価値観、美徳、原則を発見し、確認する。
世界の宗教界からの声を政治指導者に届けるため、2005年に英国国教会の呼びかけによって、英国G8サミットに合わせてG8宗教指導者サミット(G8 Religious Leaders Summit)が開催されました。それ以降G8サミットに合わせて、ロシア、ドイツ、日本(2008年)、イタリア、カナダ、フランス、米国、英国と、2013年まで毎年開催されました。現在のG20世界宗教サミットは、それが元になります。
1回目の英国での開催は、ローワン・ウィリアムズカンタベリー大主教が主催し、英国国教会や米国、アイルランドのキリスト教指導者らが集まってのフォーラムでしたので、まだ異教徒間のサミットではなかったようです。当時のG8首脳の、トニーブレア首相やジョージ・ブッシュ大統領らに、極度の貧困に生きる人々に対しての、貧困撲滅のための資金援助など、豊かな国がするべき政治的な決断を呼びかけました。
2回目のロシアでの開催からは、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教、仏教、ヒンズー教、神道など、世界中の宗教機関から集まっての、宗教指導者サミットの形になっています。内容も、テロリズムや過激主義、また宗教によってそれらを正当化しようとすることを非難し、民族や宗教的な理由での敵対行為へ反対を表明し、信教の自由や強制されることのないことの重要性にも言及しています。
そして人間は本質的に宗教的であり、 歴史の黎明期以来、宗教はその中で重要な役割を果たし、思考、文化、倫理および社会秩序の発達などにおいて、現代における信仰の役割は増え続けているとしています。宗教は、文明間の平和と対話のための確固たる基盤であり続けるとも述べていました。
そして、それ以降はさらに、ミレニアム開発目標MDGsの2015年の達成に向け、直面する複数の課題について話し合いが行われ、G8各国首脳や指導者に提言がなされてきました。
2008年洞爺湖サミットの時は、核軍縮、食糧不足、女性と子供の貧困、気候変動、テロ対策、軍事紛争、エイズ対策など、幅広い分野において、宗教側からの提言、声明が行われました。それ以降は移民や難民問題、金融危機の問題なども増え、多くの課題について討論が行われてきました。
2014年は、本来ならロシアがG8サミット開催国でしたが、G8の資格を剥奪されたため開催不能になります(G8首脳会議はベルギーで開催)。また、世界経済の中心が新興国を加えたG20体制になっていたこともあり、新たにG20 首脳会議に合わせて行うように再構築されたそうです。
それで2014年からは、G20首脳会議の前に、G20サミット開催国で開催されるようになります。2014年はオーストラリア、2015年トルコ、2016年中国、2017年ドイツ、2018年アルゼンチンで、G20 Interfaith Forumとして開催されてきました。
中国での開催は、なかなか困難な状況もあったようですが、前回のアルゼンチンでのサミットでは、職場・雇用と宗教との問題、人身売買・強制労働・児童労働、子供達への暴力の根絶、汚職や腐敗との闘いが世界的な課題の取り組みに不可欠であること、暴力的な過激主義の防止への取り組み、難民問題と宗教が果たす重要な役割、南スーダンやソマリアなど飢餓の緊急事態への支援や、宗教施設の積極的な関与など、グローバルな課題について、宗教の重要な取り組みを含めた政策提言がなされたようです。
2018年9月にアルゼンチンで開催された時には、深見東州(半田晴久)先生もインターナショナル・シントウ・ファウンデーション代表として、挨拶文を寄せられていました。
G20 Interfaith Forum Japan 2019の概要
今回で第6回目となる世界宗教サミット(G20 Interfaith Forum Japan 2019)は、世界開発協力機構の総裁を務められる深見東州先生ががホストとなり、G20インターフェイス・フォーラム・アソシエイションと、ワールド・フェース・デベロップメント・ダイアローグ(世界宗教対話開発協会)との共同開催で開催されます。
海外から200人、国内から100人の、各国政府や国際機関関係者、政治家、学者、研究者、メディアや宗教指導者らが集い、開催されるようです。つまり、宗教関係の指導者と、政治や経済関係のリーダーたちが協力し、世界的な課題についての解決策を提唱するために開催されるわけですね。
2016年以来、経済学者、開発の専門家、国際的なキリスト教関係のパートナー、さまざまな宗教団体や神学者の代表者を結集させる「ハイレベルの道徳と経済に関する対話」が開催されているそうです。今回も様々な分野から、代表や専門家が集まり、「人(People,)、平和( Peace)、地球(planet)というテーマで、難民、異文化間の緊張、健康、子供、高齢化社会、地球に関することがトピックとして取り上げられる予定です。
また、基調講演として、エンダ・ケニー 元アイルランド首相、ロード・ジョージ・キャリー 第103代カンタベリー大司教、ミゲル・アンヘル・モラティノス氏 (国連「文明の同盟」上級代表)、ジョン・キー元ニュージーランド首相、グラサ・マシェル氏(ネルソン・マンデラ夫人)、半田晴久 世界開発協力機構総裁の講演が、今のことろ予定されているようです。
そして3日間の間に複数のセッションが行われ、スピーカーとして、多くの学者、専門家、ビジネスマン、様々な宗派の宗教者が講演を行い、モデレーターや参加パネリストによる討論が行われるのでしょう。
会場はホテルニューオータニ幕張で、一般公開されるのは、6月8日と9日の二日間になるそうです。
宗教的な話題は、ネガティブなものはすぐに取り上げられますが、一般的にはなかなか日本では取り上げられません。これを機会に、宗教の果たせる重要な役割などへの認識が広がると良いですね。
世界では、信仰を表明している人が8割を超えるそうです。グローバルな社会の課題を解決するにも、宗教的な様々な絡みが必ず生じると思います。このような、様々な分野の代表と、様々な宗教関係者が集まって会合することの意義は、非常に大きいのではないかと感じます。おそらく、日本にいては全く想像もしないような問題を知ることもできるでしょうし、その解決方法についても、探ることができるかもしれません。