アンコール・ワット薪能とクメール文化

「日本カンボジア友好六十周年記念・薪カンボジア舞踊」を観て、そのあとカンボジアの文化についても調べてみました。

駐日カンボジア大使が今回の舞踊について、「東南アジア最古の文明であるクメール文化の粋」と表現されていましたが、では、そのクメール文化とはどういうものだったのか、とても興味が涌いてきました。

まず、クメール文化遺産といえば、なんといっても真っ先に思いおこされるのが『アンコール・ワット』です。世界遺産にもなり、クメール美術の最高傑作といわれています。

 

アンコール・ワット

 

7、8年前になりますが、深見東州先生は、このアンコール・ワットの前で薪能を舞われました。ワールドメイト会員でカンボジアまで見に行った人もいました。

それもあって、ワールドメイト会員になじみ深いアンコール・ワットなのですが、12世紀前半に、クメール王朝のスーリヤヴァルマン2世によって、ヒンズー教寺院として建立されています。

それから、アンコールワットと同じくクメール文化を代表する存在が『アンコール・トム』の遺跡です。

こちらは12世紀後半、ジャヤヴァルマン7世によって建立された城砦都市遺跡です。中心である仏教寺院バイヨンには、四面仏顔塔が立ち並び、神秘的な微笑を浮かべている観世音菩薩塔で有名です。

 

アンコール・トム

 

それからもうひとつ、ジャヤバルマン七世が母のために建てた仏教寺院である、『タ・プローム』も有名です。

こちらは、長年放置されていたせいもあり、ジャングルの樹木(ガジュマルの一種)が絡みついている姿で知られています。

 

タ・プローム

 

このあたりの時期がクメール王朝の最盛期であり、領土も今のタイやマレーシア、ラオス、ベトナムにまで拡がっていました。今よりも2~3倍はありそうな、かなり広大な勢力を持つ王朝をだったことがわかります。

 

クメール王朝の最盛期

 

これ以後は隣国の攻撃により急速に衰え、領土も奪われ、かなり小さくなった現在のカンボジア王国に至ります。

こちらの映像でも、今に残るクメール文化遺産をお楽しみください。画像がとてもきれいで神々しいです。

 

 

余談になりますが、そのときカンボジアに行ったワールドメイトの会員から、興味深い話を聞きました。

カンボジアが隣国に攻め込まれた時、当時は、相手の民族を征服させるには、相手の大事にしているご神体を奪うのだそうですが、カンボジアもそうやって大切なご神体を奪われてしまったそうなのです。そして、当時のシャーマンによって、ご神体は封じ込まれてしまい、それ以後カンボジアの暗黒の歴史が続くのでした。

それが近年、わりと最近になってその封印が解かれ、奪い返すのに成功したそうです。ですから、それからカンボジアは急成長しているというお話でした.

なんともいえない不思議なお話ですが、そういう呪術的な世界は、タイなどにも古くからあると聞いたことがあります。日本でいえば、さしずめ皇室に伝わる三種の神器にあたるのでしょうか。

伊勢神宮のご神体はそのひとつ、八咫鏡ですが、天照大神が邇邇芸命に向かって、それを我とおもっていきまつるようにという神勅が、日本書紀に書かれています。そうすれば、天地が永遠に続く、つまり繁栄が続くであろうと、そういう神勅として伝わっているのです。

現代に生きる我々にとっては、ご神体といってもまったくピンと来ないかもしれませんが、国の興亡にもかかわる神秘がそこにあるのでしょう。民族には人間の活動から観た表の歴史もあれば、国の背後にある神霊界から観た裏の歴史もあるのでしょう。両方を観なければ、本当の歴史は見えてこないのかもしれません。

 

それにしても、アンコール・ワットの神秘的な美しさには、思わず引き込まれてしまいます。ジャングルの中に、アンコール・ワットが突然姿を現すわけですから、まるで異次元空間に浮ぶお城のようでもあります。

 

アンコール・ワット

 

一方こちらは、先程ふれましたが、2006年1月にアンコール・ワットの前で行われた『アンコール・ワット薪能』の様子です。寺院と薪能の舞台が、違和感無くマッチしています。

 

アンコール・ワット薪能

 

深見東州先生は、このとき『鞍馬天狗』という能の演目のシテを演じられました。

現地で観てみたかったです。アンコール・ワットを背景にした薪能など、二度と観る機会は無いでしょうから。ただでさえ幽玄な能が、一層神秘的で幻想的に感じられたことでしょう。

観にいったワールドメイトの知人が、「ファンンタスティック!!」の一言に尽きると言っていました。たっぷりと悠久のロマンに浸っていたようです。はるばるとカンボジアまで観にいくワールドメイト会員もすごいと思いますが、それだけの価値は十分にあったことでしょう。

ちなみにこの『アンコール・ワット薪能』は、ニューヨークのメトロポリタン美術館や国連本部の前広場、エジプトのスフィンクスの前などで能楽を行ってきた深見先生のところへ、カンボジア王国政府からの要請があって実現したそうです。

そして、国を挙げての開催実現に向けて、カンボジアの王国副首相サムデック・ノドロム・シルブット殿下が奔走したそうです。いつもながら、深見先生が関わるイベントはスケールが大きいです。

その時の一部始終がDVDになって、たちばな出版から販売されています。興味がある方はご覧になるとよいでしょう。

 

DVD『アンコール・ワット薪能』

DVD『アンコール・ワット薪能』

2007年7月1日発売

能  『羽衣』  シテ渡邊荀之助

狂言 『棒縛』  シテ山本則直

半能 『鞍馬天狗』シテ深見東州

2006年1月23日 カンボジア王国 アンコール・ワットにて

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