明日の9月18日と19日は、東京芸術財団・世界芸術文化振興協会主催「初秋のクラシックコンサート」が新国立劇場で開催されます。
新国立劇場でのコンサートは2018年の第6回東京国際コンサート以来になりますね。
今回のコンサートでは、前半はソリストとしてバリトンの深見東州先生、ソプラノの大貫裕子氏、テノールの所谷直生氏が出演します。そして、よく知られている人気オペラのアリア、また、オペラ「聖徳太子」からのアリアなどを数曲歌う予定になっていますね。
オペラ聖徳太子のアリア
オペラ「聖徳太子」は、聖徳太子の前半生を描いたオリジナルオペラです。聖徳太子の言い伝えに、多少、新たな視点が加わり、物語が構成されています。作曲は、現代日本の作曲家で、広島レクイエムなどを手がけた糀場富美子氏他、数名の作曲家によって完成しました。糀場富美子氏は深見東州先生に音楽理論を教えた方でもあります。
そのオペラ「聖徳太子」から、今回のコンサートでは「序曲」(合唱つき)、「厩戸皇子のアリア」、「刀自古のアリア」、「刀自古と厩戸王子の二重奏」が、演目に入っています。
刀自古という女性は、実在した聖徳太子のお妃の一人と言われています。刀自古郎女(とじこの いらつめ)と表記され、当時権勢を誇った蘇我馬子の娘になります。
蘇我馬子の父、蘇我稲目は、仏教を日本にも取り入れようとしますが、これに反対する物部氏と激しく争っていました。蘇我稲目は娘の蘇我堅塩媛 (そがのきたしひめ)と蘇我小姉君(そがのおあねのきみ)を第29代欽明天皇の妃にします。堅塩媛は、後の第31代用明天皇を産み、また、異母兄である第30代敏達天皇のお妃となり、その後第33代推古天皇となる炊屋姫尊(かしきやひめのみこと)を産みます。小姉君は、第32代崇峻天皇を産み、用明天皇のお妃となり厩戸皇子を産んだ穴穂部間人皇女(あなほべのはしひとのひめみこ)を産みました。
堅塩媛、小姉君と兄弟姉妹になる蘇我馬子の時代になると、ついに物部氏を滅し蘇我氏が朝廷の実権を握ります。この時、厩戸皇子は四天王像を彫り、戦勝祈願をしていました。
オペラ「聖徳太子」では、この蘇我馬子が野望に燃え、擁立した崇峻天皇を軽んじ、ついには刺客を差し向け暗殺します。それを見た厩戸皇子は、馬子のやり方に不安を感じると同時に、蘇我氏の血が流れている自分自身のこと、馬子に味方をして戦をしたこと、そして愛するお妃は馬子の娘である事実に苦しみ葛藤します。そして、新しい理想の国づくりをしたいと、馬子と対立していくことになります。その心情を歌うアリアが「厩戸皇子のアリア」ですね。
続いて刀自古が、そんな厩戸皇子との間に育んだ、深い愛情の喜びを歌うのが「刀自古のアリア」です。さらに、刀自古と厩戸皇子が、二人の真の愛を高らかに歌い上げる「刀自古と厩戸王子の二重奏」へと続き、オペラ「聖徳太子」の第1部は終わります。
この後、悲劇的な第2部、希望に満ちた第3部のラストへと物語は続きますが、今回のコンサートでは、第1部で登場するアリアを歌う予定になっているようです。
このオペラは、2002年11月14日に初演されました。深見東州先生が、中国の2大オペラ団の一つ、中国国立歌劇舞劇院の一級声楽家に認定された後の、初のタイトルロールを演じたオペラとなりました。
たしか、2004年くらいからベルカント唱法で歌えるようになったと聞いた覚えがありますので、今回は完璧なベルカントで歌うオペラ「聖徳太子」とも言えますね。
名作オペラから人気のアリアも
有名なオペラや歌劇から、人気のアリアも多く歌う予定になっています。
その一つに、ジョルダーノのオペラ「アンドレア・シェニエ」から、ジェラールのアリア「 祖国の敵」があります。このオペラは、フランス革命前から革命後の激動期に運命を翻弄された恋人たちの物語と言えます。そしてこの曲は、フランス革命前に抱いていた理想と、革命後に抱いた気持ちの矛盾に、ジェラールが葛藤する歌になっています。
ジェラールは、ある伯爵家の召使いでした。その伯爵家の娘であるマッダレーナに好意を持っていました。しかし、彼は伯爵家を出ていき、革命の理想に身を捧げ、革命後は革命政府の一員となっていました。
そして、マッダレーナへの恋心から、恋敵と言える詩人シェニエのことを告発しますが、その行為に葛藤します。「祖国の敵と言って告発しさえすれば、誰だって好きな奴を死刑にできる。でもこれが、かつて理想に燃えて起こした革命がめざした国の姿なのか?それで、お前は本当にいいのか?」と。その複雑な苦悩を歌ったアリアが「 祖国の敵」ですね。
その後、マッダレーナに迫りますが拒否されます。そしてマッダレーナのシェニエに対する捨て身の愛の前に、とうとう改心し、告発したシェニエを救おうと奔走しますが・・。
最後は、マッダレーナが看守に賄賂を渡し、女死刑囚と自分自身を入れ替えさせます。そして、シェニエとマッダレーナは、死刑台へと向かう護送車に乗り込んでいくのでした。
それからモーツァルト作曲の最後のオペラとなる「魔笛」からも、2曲のアリアを歌う予定になっていますね。このオペラの台本は、友人のフリーメーソン会員が書いたそうです。
物語は、大蛇に追いかけられ森に迷い込んだ王子タミーノが、夜の女王の娘パミーナの侍女に助けられるところから始まります。侍女は悪のザラストロがパミーナをさらって行ったので助けて欲しいとタミーノに頼みます。タミーノはパミーナの美しい肖像画を見せられ救いにいくことを約束します。
タミーノはザラストロのところに行きます。パミーナも逃げ出そうとしていましたが、そのことをザラストロに詫びます。ザラストロは、邪悪の夜の女王の犠牲にならないようにと、パミーナを保護していたのでした。
そしてザラストロはタミーノを試練の神殿に連れて行きます。その試練を乗り越え、パミーナと結ばれることを語り、そして、神に祈ります。この時にザラストロが歌うアリアが「おお神よ聞きたまえ」ですね。
ザラストロは、試練に耐えられるよう叡智を授けたまえと、また、もしも越えられず命を落とした時は、その徳を讃え、神の元へと迎えたまえと祈ります。
その後、夜の女王は、娘のパミーナのもとに現れ、短剣を渡してザラストロを殺すように命じます。パミーナは思い悩み、ザラストロに打ち明け、母の赦しを乞います。ザラストロは、この聖なる国に住むものは、恨みを知らない、復讐心を持たないと、パミーナに語ります。その時にザラストロによって歌われるアリアが「この清き世界は」になります。
オペラのアリアも、その背景とか、内容をよく知って聴くと、一層楽しめますし、オペラへの理解が深まると、深見東州先生もいつも言われていますけどね。
そして、今回のコンサートの後半は、深見東州先生が作曲した管弦楽曲を、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団のフルオーケストラで楽しめます。珠玉の名曲と呼べる楽曲を、これまでに数多く作曲されてきました。これらの楽曲は本当に素晴らしくて魂が震えます。
これまでにどれだけ繰り返し聞いてきたことか。もっと広く多くの人々に知ってもらいたいと思っています。
今回は、有明セントラルタワーホールをパブリックビューイング会場にして、無料でライブ視聴することができます。