「火山学的には、富士山は100%噴火する」
富士山の山体崩壊予想図

「火山学的には、富士山は100%噴火する」と言われているそうですが、「たけしの富士山大研究・大噴火20XX」という番組の中で、火山の噴火は地震ほど恐くはない、という鎌田教授の話もありました。それは、いきなりドカンと来るのではなく、その前に、ある程度の予兆があるからだそうです。少しホッとする話です。しかし、予兆から噴火の正確な予測は、100%できるとは限らないそうです。すべて外れる可能性もあるそうなので、けっして楽観はできません。

 

それから富士の噴火で、もうひとつ気になる話が出ていました。「富士山は噴火のデパート」といわれるほど、過去に噴火のバリエーションが多いそうです。そのさまざまな富士山噴火によって引き起こされる災害を分類すると、火山灰、火砕流、噴石、溶岩流、土石流、山体崩壊の6つのパターンになるそうです。このどれもが、たいへん大きな被害をもたらします。火砕流、噴石、溶岩流、土石流などに関しては、かなり細かくシミュレーションはされてるようです。ただ火山灰に関しては、東京のような大都市に大量の火山灰が降った例がないため、生活がストップするほどの被害になることは想定できても、実際のところどれほどの被害になるのか未知数の部分も大きいそうです。

 

実は、ワールドメイトでも指摘されてましたが、不気味なのは山体崩壊です。これは山自体が巨大な地滑りなどによって、壊れてしまうことだそうです。その例として、アメリカで1980年に大爆発をおこしたセントヘレンズ火山があります。写真でもわかるように、山体崩壊がおきた後は、真中がガバッとえぐれていますね。あるいは、ワールドメイトでも馴染みの深い磐梯山も、1888年の爆発では、頂上が吹っ飛ぶほどの山体崩壊がおきて477人の死者を出しています。

 

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大爆発をおこして変形したセントヘレンズ火山

 

そして、富士山では2900年前に「御殿場岩屑なだれ」といわれる山体崩壊がおきたことがわかっています。もしも富士山で山体崩壊がおきれば、ふもとの街などは全部埋まってしまうでしょう。しかも火砕流のようにあっというまに来るようです。とてつもない大きな被害になるのは、専門家でなくてもわかります。ところが富士山噴火の防災においては、過去の発生頻度が少ないことと、おきるという予測も困難なため、「ハザードマップ」からは除外されているそうです。おきた場合、甚大なる被害になるのはわかっていても、避難するのも困難ですし、想定外にしてしまおうというのもわからなくはありません。

 

富士山の山体崩壊予想図
富士山の山体崩壊予想図

 

この山体崩壊については、番組では簡単な紹介でしたが、実はこれに警鐘を鳴らしている小山真人教授の短いインタビューもありました。小山教授は、昨年、この山体崩壊について詳しく調べて40万人が被災すると発表しています。そして3・11で得た教訓として、想定外のこともきちんと想定しなければならないと言われていました。番組では、たけしが「山体崩壊がおきると補修工事が大変だな」と言って、出演者の笑いを取ってましたが、ワールドメイト的に言うと、とても笑い話ではすまないのでした。そして、「有史以来最大の富士の噴火といわれる宝永噴火と、同程度の噴火は十分おきる可能性がある」と、鎌田教授は言ってました。宝永噴火の前には、200年噴火が無かったわけですが、現代では、宝永噴火からすでに300年以上経っているというのが、その根拠です。噴火が無い期間が長くなればなるほど、マグマだまりにマグマが大量にたまっていると予測できるからだそうです。くれぐれも宝永規模の噴火がおきないことを、ワールドメイトで願わずにはいられません。

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