ハリー王子来日「ISPS・スポーツの力特別サミット」のメディアの報道(1)

ハリー王子(サセックス公爵)が来日し、今年8月9日に開催されたチャリティーイベント 「ISPS・スポーツの力特別サミット」の内容について、メディアの報道をまとめたものを、3回に分けて紹介していこうと思います。

前回までの4記事では、ハリー王子がペイトロンを務め、深見東州先生も支援を続けるサンタバリーの慈善活動とインヴィクタス・ゲームズについて紹介してきました。そちらの記事も参照してもらえると、より、今回のサミットの意義が理解できるかと思います。

ハリー王子が4年ぶりに来日した理由

サミットの紹介の前に、今回ハリー王子が来日するという話を聞いた時の僕の感想は、いくら王室を離脱したと言っても、英国の王族であり、チャールズ国王と故ダイアナ妃の次男という超VIPな人物ですので、国や公的機関が絡むイベントではない、もちろんビジネスでもない、民間のイベントに参加することなど、ありえるのかなと一瞬思いました。しかも英連邦の国々ではない、日本でのイベントですからね。

しかし、僕の余計な心配をよそに、ハリー王子は民間機を利用して普通に来日しました。

そもそも深見東州先生と英国王室との交流は、1994年に、深見東州先生が中心となって英国のロイヤル・アルバート・ホールで開催されたチャリティ・コンサートにまで遡ります。そのコンサートには、ミュージカルのトップスターであるエレイン・ペイジなどのビッグスターも出演し、深見東州先生も指揮者としてタクトをふりました。満員となる4500人が観劇し、その収益は経費を差し引かずに、全額英国王立盲人協会と白血病児童救済基金の二つの慈善団体に寄付したことがきっかけだったと思います。

英国王立盲人協会のペイトロンを務めるエリザベス女王から感謝状が届き、2000年2月には、エリザベス女王とエジンバラ公フィリップ王配による、英国の福祉活動に貢献した700人を招待してのレセプションに招かれます。バッキンガム宮殿にてエリザベス女王と初めて歓談し、その後も、さまざまなチャリティー活動を通じて、ロイヤルファミリーとの交流が、徐々に深まっていったのでしょう。

深見東州先生は、ハリー王子が提唱し2014年から始まったインヴィクタス・ゲームズの第一回目から、また、サンタバリーも2014年から支援し始めます。その後ハリー王子により、ケンジントン宮殿に招かれます。そこでハリー王子から、あなたはチャリティーをしながら、わたしたちに一度も交換条件を求めたことがないと言われます。深見東州先生からすると、それはあたり前のことだと思いますが、ハリー王子からすると、そのようなところに深く感じるところがあったようで、だからあなたとの関係を大切にしたいと言われます。

そのような関係が、ここ10年ほど続いてきたわけです。長いワールドメイト会員は、そのようなお二人の関係を知っています。それで8月12日にシンガポールで開催される「サンタバリー・ISPS HANDA ポロカップ」の前に、日本に立ち寄ることにしたのだろうと理解しましたが、それでも驚きましたけどね。

ハリー王子の側から、この時期に日本に来たいとの打診があったと書かれていました。それでサミットに参加してもらう段取りになったのでしょう。ちなみに交通費や宿泊費、ハリー王子の身辺警護などは、ハリー王子側が自前で用意したそうです。会場周辺などの警備や会場費は、主催する国際スポーツ振興協会が負担したそうです。

それにしてもハリー王子は、結婚を機に、かなり批判されてきました。ただ日本では概ね歓迎ムードで、ファンの人たちもたくさん空港にかけつけ、暖かく迎えられていましたね。そんな日本から、今回のイベントを通じて、ハリー王子の考えや慈善活動を世界に向けて発信できたことは、ハリー王子にとっても有意義だったのではないかと、個人的には感じました。

なにしろ国内外の驚くほど多くのメディアが、今回の来日を取材していました。来日前の海外メディアの報道は、王室とハリー王子夫妻の対立を煽るような、ネガティブなものも多く見受けられました。それに比べ日本では、欧米メディア並みに批判的な報道をするメディアは、もともと少ないようです。さらにイベント後の報道を見ると、ハリー王子に対する好意的な報道が増えたような気もしました。海外のその後の報道は見てませんが、毀誉褒貶に相半ばする報道は今後とも続くとは思います。

「ISPS・スポーツの力特別サミット」 前半の内容

世界一のステレンボッシュ大学合唱団が登場

「ISPS・スポーツの力特別サミット」の幕開けは、南アフリカのステレンボッシュ大学合唱団によるパフォーマンスで始まりました。ステレンボッシュ大学は、南アフリカ国内、およびアフリカで最もレベルが高い総合大学の一つとして高く評価されています。スポーツの名門としての評判も高く、障害者スポーツの卓越性にも取り組んでいるとのことです。芸術文化の分野では、演劇や音楽、絵画や写真などの視覚芸術の学科があるそうです。

今回来日したステレンボッシュ大学合唱団は、Interkultureが選ぶ、世界のアマチュア合唱団ランキングにおいて、2012年からずっと1位を続けています。Interkultureとは、毎年14もの国際合唱コンクールやフェスティバルを世界中で開催する、合唱界における主要な音楽イベントのトップブランドの組織になります。

今回は4曲ほどの披露でしたが、深見東州先生は、「中声音の響きが美しく素晴らしい。細やかで綿密な音楽作りをしている。だから次々と世界一になる。アフリカらしい個性ある音楽に加え、ポップス、ジャズなど、なんでもできる点も素晴らしい」と賞賛されていました。

サンタバリー会長、ソフィ・シャンダウカ氏の基調講演

「サンタバリーに引き寄せられた理由~慈善活動が個人とサンタバリーに果たす役割について」と題し、ソフィ・シャンダウカ氏による基調講演が行われました。

ソフィ氏は、ジンバブエで生まれ育ち、エイズの蔓延によって家族も財産も失う憂き目に遭います。しかし、見知らぬ人からの支援があり、奨学金を得て教育を受けることができたおかげで未来が開け、経営者として成功することができたそうです。

「私の人生を変えた、あることがありました。11歳くらいのときから、見ず知らずの、中には会ったこともないような人たちから、寛大な心をもらいました。その人たちは、幼い私が愛され、自分の可能性を最大限に発揮する機会を与えられるに値すると信じてくれた人たちでした」と、自身の人生について語りながら、誰かによる寛大なる心が、他人の人生を大きく変えることがあることを、力強く語りました。

そのような背景があるからか、教育の機会を与える重要性を、身をもって理解されているのでしょう。サンタバリーにおける活動について紹介し、サンタバリーは国際スポーツ振興協会(ISPS)とのパートナーシップによって、エイズや貧困、不平等に直面する何万人もの若者が医療サービスを受け、自立した生活を送るための研修が可能になったと言われていました。さらに今後は、エイズ/HIVとの戦いに勝利するだけではなく、アフリカの若者たちが世界に出ていけるように、そして次の未来のリーダを育成するサポートを行いたいと語りました。

ソフィ・シャンダウカ氏は、モルガン・スタンレー、ヴァージン・マネー、ベーカー・マッケンジー、メタなどの企業で戦略、法務、オペレーション部門を率いた経験を持ちます。希少がんや自己免疫疾患の治療薬開発に注力する米国のバイオテクノロジー企業、ナンディ・ライフ・サイエンシズの会長兼共同設立者でもあります。また、ブラック・ブリティッシュ・ビジネス・アワードの会長兼エグゼクティブ・ファウンダーでもあります。

2021年のエリザベス女王の誕生日には、ビジネスにおける多様性への並外れた貢献に対して大英帝国5等勲爵士(MBE、メンバー)を授与されます。2009年から2015年まではサンタバリーの理事として活動をサポートしていましたが、このたび再びサンタバリーに迎え入れられ、2023年に7月に新会長に任命されました。

インヴィクタス・ゲームズ メダリスト、スティーブ・ジェームス氏の講演

2つ目の講演は、「インヴィクタス・ゲームズがもたらした希望〜自身の体験から語るスポーツの力とは」と題して、元オーストラリア海軍の海戦将校スティーブ・ジェームス氏によるものです。

2000年に海上で頸椎や脊髄などに重傷を負い、40回もの大きな手術を受けたが痛みが引かず、自殺も考えたとのことです。そんな時に傷病兵のための国際的なマルチスポーツ・イベントであるインヴィクタス・ゲームズからの支援を受け、障害者スポーツに挑戦することになります。

スポーツを始めることで、体の痛みも悩みも忘れ、心身ともに回復し、自分自身を取り戻すまでの壮絶な半生を語りました。人生を変えるきっかけとなったインヴィクタス・ゲームズでの体験を、今は他の人たちにも伝えたいと思うようになったそうです。「インヴィクタス・ゲームズは、精神的、肉体的に健康を取り戻すことができる場所であり、生きる喜びを教えてくれて、自分の命を救ってくれた。自分自身になれる場所です。」と涙ながらに語りました。

スティーブ・ジェームス氏は2022年にハーグで開催されたインヴィクタス・ゲームズに参加し、オーストラリアの車椅子ラグビーチームの一員として銅メダルを獲得しました。また、円盤投げでは金メダルを獲得しています。

「必ずしも勝つことよりも、その人が成長できるような形でスポーツに参加することを、私はみんなに勧めます。スポーツは、ただ勝つのではなく、人を助けてくれるのです。」と語り、インヴィクタス・ゲームズを支援してくれた半田晴久会長(深見東州先生)とISPSに感謝したいと語りました。

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