今日は、「スポーツ平和サミット」に参加したワールドメイト会員から聞いた話を紹介しましょう。そのワールドメイト会員は、パネリストが女性アスリートや女性スポーツ関係者のみの分科会に参加したそうです。これは、なかなか興味深い内容でした。これからその一部を紹介します。
モデレーターからすべてが女性ばかりの分科会ですから、当然女性とスポーツについての話になることは想像がつきます。世界各国からのパネリストの発言で、それぞれの国の問題などがわかったそうです。まずイスラム圏の国では、女性の活動にかなり制限がでています。いい悪いの意味でなく、女性の進出にままならない国があるのが事実のようです。
イスラム教の聖典クルアーン(コーラン)によれば女性は顔と手以外を隠し、近親者以外には目立たないようにしなけらばならないとありますので、水泳を始め、多くのスポーツで、女性の参加に制限ができてしまいます。もちろんトルコのように、政教分離によって、公の場ではイスラムの戒律を持ち込まない国もあります。ですので国によって、その厳しさの度合いもさまざまのようです。
ちなみにトルコは、女性のスポーツ進出がままならないイスラム諸国において、かなり女性の進出が進んでいるようです。だから初のイスラム圏でのオリンピック開催を目指して立候補できるわけでしょう。東京にとって、強力な対抗馬となっています。
そういう制約が多い国に対して、ノルウェーは女性の夢の平等に成功した国と言われているそうです。若い女性リーダーがスポーツを通じて多く育っているそうです。米国のミシェル・クワンさんは、勝つことにスポーツにおける注目が集まりがちだが、もっと健康やエクササイズなどのスポーツにおける価値を協調するべきだと言われたそうです。女性のスポーツ人口を増やすには、そういうアプローチが必要ということなのでしょう。
女性は男性のように勝ち負けにこだわらないで、楽しく美容と健康のためにスポーツに取り組む人がたしかに多いと思います。あまり競技性の向上を強調すると、引いてしまう人も多いかもしれません。特に女性のスポーツに関しては、いろいろな各国の事情や傾向があるようでした。どこも女性リーダーの育成に関心があるように、その分科会に参加したワールドメイト会員は感じたそうです。
余談ですが、ワールドメイトはスポーツの分野ではありませんが、ワールドメイト会員の組織では女性のリーダーが多い気がします。また、そのことと直接関係があるかはわかりませんが、ワールドメイトでは女性にしかできない本当の大事な役割というものを何度も教えてくださいます。詳しい話は別な機会に譲りますが、男性にはできない女性の果たす大きな役割に、改めて感動した覚えがあります。今回のスポーツにおける女性の地位向上のお話とも、私の頭の中では、そのことがどこかでオーバーラップしているようです。
次は、日本の女子スポーツの現状に目を移してみましょう。これも同様に「スポーツ平和サミット」の分科会に参加したワールドメイト会員から聞いた話です。
昨年のロンドンオリンピックでは、日本では女子選手の参加者数が男子を上回ったそうです。ちなみにメダル獲得数もでした。
ナデシコパワーでしょうか、日本の女子選手の活躍が目立ちました。世界的に見てもロンドン大会は、ほぼ男女比が拮抗してきた初の大会と言われたそうです。ボクシングにも女性が参加し、28種目すべてに女子選手が参加したそうです。ただ日本では女子選手の躍進に比較して、スポーツ組織における理事などの役職における女性の割合は、世界的に見ても問題になるほど低いそうです。2011年現在で、だいたい4、5%だそうですが、これは世界でも半数は10%を超えている現状からすると、たしかに低いようです。
そして、日本企業の幹部における女性の割合が、やはり5%なのだそうです。つまり日本社会の傾向として、女性をリーダーにしづらい何かがあるのかもしれません。日本人パネラーのお話では、出産を機に退職するとか、コーチなどは男性がいいとか、そういう思いが男性にも、そして女性にもあるようだということでした。一般的に日本では、女性は男性に遠慮してしまう部分が欧米などに比べると多いのでしょう。それは実感として感じます。でも調査によると、ロンドンオリンピックに参加した女性の85%は、コーチや指導者として関わっていきたいと希望していることがわかったそうです。でも、いろいろなしがらみがあって、なかなか思うようにならないのが現状のようです。
それでも最後に、何かの事件によって、そういう状況が変わっていくかもしれないと言われたそうです。たとえば、今までサッカーと言えば男子サッカーをさすものと、マスコミでも認識していたそうです。それがなでしこジャパンの世界一から、男子サッカーとか、女子サッカーとか、きちんと分けるようになったそうです。なるほど、ナデシコの活躍はひとつの事件だったわけですね。それをきっかけに、女子サッカーのステイタスは急激に上がりました。
また、柔道界の女子選手への体罰問題がきっかけとなり、柔道の組織もですが他の組織にも影響を与えたそうです。いろいろな組織でかなり人が変わり、開かれた組織というので、女性が多く入ってきたそうです。最近のオリンピック招致問題もからみ、今、女性理事の数がようやく増えはじめたそうです。というような、なかなか興味深いお話を、参加したワールドメイト会員から聞きました。なかなか考えさせられる内容です。
そして、最後にもう一つ興味深い話を聞きましたので、それも紹介します。
20世紀は男性がリーダーシップをとってきました。これはスポーツだけでなく、政治、文化、経済、あらゆる場面においてそうだったでしょう。でも、21世紀は女性がリーダシップをとりやすくなるという意見が、「スポーツ平和サミット」分科会で出たそうです。ワールドメイト会員の間では、すでにそういう感じになっている気もしますので、ちょっと興味がある意見です。
その理由として、21世紀の戦うべき相手は、命を犯すもの全てであるということです。そして、女性は次の世代を体に宿しますから、命を生み出す機能は女性にしかありません。だから、命を犯すものすべてと戦い、よりよい地球を作るというリーダーシップを発揮できるのは、女性がその力も思いも強いという意見のようです。それをスポーツのアスリートに当てはめると、女性のアスリートは、ゲームという土俵ではお互いに戦っても、ゲームが終われば横のつながりを作っていくそうです。それは、男性アスリートより女性アスリートができるのだそうです。そういう女性アスリートの力が、21世紀、素晴らしい地球を作っていくリーダーシップにつながるのではないか、そうあってほしいという意見のようです。
多少、論理が飛躍している部分もありますが、でも、そうなるかもしれないな~と、感じる部分はあります。少なくとも、これからも男性が表に立つことになっても、陰では女性の力があってこその21世紀になるのではないでしょうか。ワールドメイトで、女性の正しい役割について、とても含蓄深いお話を何度も聞いてきました。そのあたりも含めると、この意見は鋭いところをついている気がします。
ただし、女性が社会に進出して、男性の地位に取って替わるということではないと思います。男性は、女性から女性にしかできない力をもらって、よりよい仕事ができるようになるのでしょう。もちろん、それには、今よりはるかに多くの女性リーダーが生まれているかもしれません。ワールドメイトの会員が、その将来のモデルになっているような気もしました。