再来月のことになりますが、今年は初のヨーロピアンツアー(DPワールドツアー)と日本男子ゴルフツアー共催の大会が開催されます。
昨年、新型コロナによる渡航制限のため、やむなく延期された「ISPS HANDA欧州・日本どっちが勝つかトーナメント」、欧米名「ISPS HANDAチャンピオンシップ」が、4月20日から23日にかけて、茨城・PGM石岡GCで開催されます。
「ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント」記者会見
実は昨年の12月6日、半田晴久ISPS会長と青木功JGTO会長と谷原秀人選手会長が出席し、都内で記者会見が開催されました。改めて国際スポーツ振興協会がこの大会を特別協賛することが発表されていました。賞金総額は昨年予定されていた200万ドルです。ただ昨今の急激な円高のため、円換算にすると一時2億8千万と跳ね上がり、今は少し下がったものの国内男子ツアー最高額になるのは間違いないでしょう。
この記者会見では、DPワールドツアーのキース・ペリーCEOが、「半田博士とISPS HANDAによる、啓発を与える”スポーツの力” への大いなる貢献と献身なくしては実現不可能でした」とのコメントを寄せていました。
この大会が、半田晴久会長(深見東州先生)とキース・ペリー氏の信頼関係によって実現したことは、ゴルフ関係者は皆承知していると思います。日本男子ゴルフ界にとっても、悲願の一つだったそうです。青木功GJTO会長は「この大会は私の念願であり、JGTOとしての大きな目標だった」と語りました。
日本初開催の米国ツアーとなったZOZOチャンピオンシップが、2019年から日米共同主管で開催されてきましたが、JGTOの開催日程には組み込まれていません。日本人選手の参加枠が少ないため、賞金加算対象から外されていますね。予選落ち無しなので、全体の参加者も78人となっています。
これに対して「ISPS HANDA欧州・日本どっちが勝つかトーナメント」は、DPワールドツアーから83人、日本男子ゴルフツアーから41人、招待選手8人の計132人が出場し、獲得した賞金は加算対象になります。
海外からこれだけ多くの一流選手を迎え入れる大会は、かつて無かったのではないかと思います。
世界のゴルフ事情を一変させたLIVゴルフ設立
最近のゴルフ事情に目を移すと、やはりLIVゴルフの設立が、世界のゴルフ事情を大きく変えていますね。
一番悪影響を被ったのは、スター選手がごっそり移籍した米国男子ツアーだと思いますが、ツアー間の対立だけではなく、選手間の対立も生じています。
米国男子ツアーは、DPワールドツアーとの戦略的提携を結び、LIVゴルフに対抗する姿勢を強めていますが、2023年から新たな取り組みとして、昇格大会を増やし、賞金を大幅に増やすそうです。しかし欧州での開催は無く、DPワールドツアーの上位10人に米国男子ツアーのシード権を与えたため、米国ツアーに主力選手が流れていくことが懸念されています。
今年のLIVゴルフは12チーム60人に絞って、世界ツアーを開催し、収益化に移行するための戦略を考えているようですが、更なる軋轢が発生するかもしれません。
新しい世界ランキングのシステムに対する不満も、選手たちの間にはあるようです。
また、LIVゴルフは米国PGAツアーと、DPワールドツアーの両方と現在訴訟中です。
世界の男子ゴルフ界は、今年はさらに大きく揺れそうな気配です。どのような展開になるのでしょうか。
日本のプロゴルファーだけに限ると、非常に良い面もありますね。今年LIVゴルフはアジアンツアーと提携し、高額なインターナショナルシリーズを開催中です。そのアジアンツアーに日本のトップ選手が今年は多く出場しています。
アジアンツアーやLIVゴルフに移籍した有名選手たちと競い合って活躍していますね。金谷プロは、先週の「インターナショナルシリーズ・オマーン」で優勝しました。LIVゴルフのツアーに出場すると、米国男子ツアーに出場できなくなりますが、LIVゴルフの資金が流入していてもアジアンツアーでしたらその心配もありません。
「#松山英樹 が来てくれたら」半田会長が明言 「ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」 https://t.co/NfkTX73f94 @zakdeskより
— zakzak (@zakdesk) December 7, 2022
松山は例年、マスターズ後に一時帰国するため、期待が膨らむところだ#zakzak
昨年の国際スポーツ振興協会の記者会見で、半田晴久会長は「LIVのおかげで素晴らしくなったことがある。マイペースだったPGAツアーが謙虚になった」と語られていました。
そして驚いたのは、LIVから半田晴久会長に、「女子の試合をやりたいからスポンサードしてくれないか」とのオファーがあったそうです。その理由は、ISPSが世界3大スポンサーの一つと言われるようになったからのようです。
もしかすると、今週開催中の「アラムコ・サウジレディスインターナショナル Presented By PIF」のことだったのかななんて、勝手な推測をしてしまいますが。PIFは、サウジアラビアの政府系ファンドで、LIVゴルフへ資金を提供しています。
今年の「アラムコ・サウジレディスインターナショナル」は、レディースヨーロピアンツアー(LET)としては超異例の高額賞金で、総額500万ドル(6億5千万)の大会となっています。そのためか、女子世界ランキング上位10選手中6選手が出場しています。
サウジアラビアはゴルフ界に途轍もない投資を行い、脱石油産業を見越して、国の産業の柱の一つに育てようとしているようです。