一般社団法人 東京芸術財団 (TAF)とNPO法人 世界芸術文化振興協会(IFCA)が主催するオペラ「聖徳太子」公演のお知らせです。
リード文より。
聖徳太子没後1400年を記念し、20年ぶりに、オペラ「聖徳太子」を再演します。オペラ「聖徳太子」は、太子の前半生を描いたオペラです。再演にあたり大改訂し、よりドラマチックに、より楽しめるオペラにしました。このオペラでは、バレエと能も融合します。歌や踊り、衣裳や舞台セット、オケの演奏がドラマを創ります。オペラは、まさに総合芸術なのです。
ということで、東京芸術財団 (TAF)とNPO法人 世界芸術文化振興協会(IFCA)の、久々のフルオペラということになります。最後に上演したのが、2012年の「ドン・パスクワーレ」でしたからね。そちらはドニゼッティのオペラ・プッファ(喜歌劇)で、世界的なオペラ団となったオペラ・オーストラリアの日本公演でもありました。
当時、東京芸術財団会長の深見東州先生が、国立オペラ・オーストラリアの名誉総裁になることを依頼され、また、ゲストアーティストにもなったことから、日本公演が実現しました。
このオペラのユニークなところは、タイトル・ロールのドン・パスクワーレ役のみ、日本人である深見東州先生が演じ、それ以外のキャストからオケの指揮者、演出、舞台監督、美術、衣裳、照明などのスタッフは、みんなオペラ・オーストラリアから来た人たちだったことです。
日本では、主役クラスのみが欧米人で、それ以外は日本人キャストやスタッフが務める公演はありますが、その逆のパターンということで珍しい公演だったと言えます。その分、かなりハイレベルな公演になっていたと思います。
そして、今は亡き安倍元首相も挨拶文を寄せていました。深見東州先生は安倍元首相と、自民党が野党に下野した頃に知り合い、深見東州先生がモデレーターを務めていたテレビ番組にゲスト出演されたこともあります。
また、安倍首相の地元で国際スポーツ振興協会(ISPS)主催のシニアゴルフ大会が開催されたときには、プロアマに来られていたようです。安倍元首相から「初代仮面ライダーに似てますね」と言われると、それを言うなら藤岡弘、に似ているでしょう」と返されていたようですが(笑い)。
余談はそれくらいにして、今回上演されるオペラ「聖徳太子」の初演は2002年11月14日でした。僕も観劇しました。細かい内容は忘れましたが、深見東州先生にとっては、フルオペラのタイトルロールを演じた最初のオペラになりました。
その後2003年から2010年までは、毎年秋頃にIFACオペラが上演されるようになります。2005年の「フィガロの結婚」からは、毎年タイトル・ロールを演じられていました。
IFACオペラは、歌はイタリア語のまま、曲もそのまま原曲ながら、衣装から場所や時代設定まで、演出はすべて日本文化に衣替えするという画期的なオペラでした。日本人から見た、日本文化の発信を西欧オペラを通して行っていたわけです。
今、西洋オペラの上演にも、日本文化を取り入れた演出は普通になっているそうです。そのきっかけになったオペラだと言えます。
IFACオペラが一旦終わった後、2012年には「ドン・パスクワーレ」が上演されます。今度は西欧人から見たところの日本文化の発信をテーマにしたそうです。
具体的には、ドン・パスクワーレを元駐イタリア大使という日本人に設定にし、随所に、欧米人から見たところの日本文化と思われるものが出てきます。海外から見た視点のため、何度も笑ってしまったことを覚えています。
そのようにオペラ公演と言っても、ありきたりなものはされません。必ず何か新しいものを取り入れ、新たなオペラ文化の創造に一役買ってきました。新たにグレードアップしたオペラ「聖徳太子」がどのようなものになるのかが楽しみです。
このオリジナルオペラの作曲は、深見東州先生の音楽理論の師である糀場富美子先生が中心となり、久田典子氏と藤原豊氏の名前がクレジットされています。
糀場富美子先生の代表作「広島レクイエム」は、ウェストサイド物語で有名なレナード・バーンスタイン氏が推薦し初演され、小澤征爾が指揮するボストン交響楽団の定期演奏会など、欧米各地で上演されました。
そして、オペラ「聖徳太子」は、救世観音菩薩役として、能楽宝生流シテ方重要無形文化財指定の渡邊他賀男氏が出演し、幽玄な能が取り入れられていました。またバレエ団も登場するなど、2002年の公演は、かなり攻めた演出だったと思います。
今回もバレエと能がオペラに融合する流れは変わらないようです。さらに斬新な演出が見られることでしょう。