深見東州先生が創業された、たちばな出版の提供で「たちばな出版エンターテイメントパラダイス」という番組が、FOXスポーツ&エンターテインメントで放送されています。
先月は、「オペラ ドンパスクワーレ」が放送され、今月は「オペラ ナブッコ・我が愛する地球よ」が放送されます。また来月は、「オペラ ドンジョバンニ」が放送予定のようです。
オペラ ナブッコについては、このブログでも以前紹介しました。
今日は、「オペラ ドンパスクワーレ」について紹介しましょう。
このオペラは、2012年9月21日と23日の2回、新宿文化センターにて開催されました。当初は、2011年に開催の予定だったそうですが、東日本大震災が発生したため、翌年に持ち越されたそうです。
ドン・パスクワーレは、ドニゼッティ作曲のオペラブッファ(喜歌劇)になります。それをこの時上演されたわけですが、そこには幾つかの特徴がありました。
まずは、東京芸術財団とオペラ・オーストラリアによる共同制作公演であることです。
深見東州先生によると、フランス人やイタリア人とは友達にはなれても、オペラの共同制作になると難しいそうです。英語圏でないという言葉の壁もですが、自国の文化にプライドを持ちすぎているからのようです。しかし、豪州人になったイタリア人、フランス人とはうまくいくそうです。国柄や風土がそうするのかもしれません。オーストラリアは、オセアニアで、西欧文化の国でありながらアジアに近いですから、それと無縁ではないように思います。
そして、タイトルロールの主役だけが日本人の深見東州先生で、それ以外のキャスト、指揮、演出、舞台監督、美術、衣装、照明などのスタッフは、皆オペラ・オーストラリアからの人たちで行なわれました。メインキャストだけが外人で、あとは日本人というのはよくあるそうなので、その逆だと言えます。
それから深見東州先生は、過去に日本で開催するオペラの場合、必ず日本文化を発信することを演出でされてきました。それは日本人から見た日本文化の発信でした。今回も日本文化の演出がありますが、しかし今回のそれは西欧人から見た日本文化の発信になったと言われていました。このドン・パスクワーレはもともと面白い喜劇ですが、演出家のロジャー・ホッジマン氏は、西洋風おかしさ満載でありながら、それを日本味に仕上げたそうです。
例えば、西洋文化のオペラのエッセンスをあますところなく発揮しながら、そこに、突然日本語が飛び出したり、深見東州先生の書が西洋絵画に混じってさりげなく登場したりします。言葉では説明しにくいですが、欧米人が日本文化に感心しそうな演出が随所に出てきました。
日本人から見るとおかしくて、大笑いする部分でもありますが、そのように西洋文化の視点から見て、日本文化を演出するというのが新しい部分でした。オペラ・オーストラリアと、深見先生とのコラボレーションから生まれた芸術の創作と言ってもいいでしょう。
個人的な感想を言うと、海外ドラマでフルハウスみたいなコメディを見て、欧米らしいおかしさを感じた、あの感じと似てました。もちろん、内容は全然違いますが、西洋風のおかしさ満載という意味が、よくわかりました。しかしそれを演じるには、ものすごく早口で台詞を言わなくてはならず、またそれを叙情的なメロディにのせて、リズミカルに流れるように、感情を乗せて歌わなければならないわけですから、深見東州先生も大変な役をよくされるなと、そこにも感心しました。
出演者は、新人の歌手が多いですが、そこは世界の一流オペラ団だけあって、素晴らしい完成度の高い作品になっていたと思います。
第1回 グランドオペラJAPAN
オペラ ドン・パスクワーレ 全3幕
オペラ・オーストラリア 2012年日本公演
総合芸術監督・制作総指揮: 深見東州(半田晴久)
作曲: G.ドニゼッティ
台本: ジャコモ・ルッフィーニ
指揮: ウィン・デイビーズ
演出: ロジャー・ホッジマン
美術・衣装: リチャード・ロバーツ
照明: マット・スコット
管弦楽: 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
キャスト
ドン・パスクワーレ: 深見東州(半田晴久)
ノリーナ: キアンドラ・ホワース
エルネスト: ジョン・ロングミュアー
マラテスタ: クリストファー・ヒリアー
主催: 一般財団法人 東京芸術財団
共同制作: オペラ・オーストラリア
後援: 外務省 文化庁 東京都
協力: NPO法人 世界芸術文化振興協会
あらすじ
【第1幕】 |
お金持ちのパスクァーレのところにマラテスタが現れ、若くて美しい自分の妹を嫁として紹介すると言う。パスクァーレは喜んで、その後、ノリーナという未亡人に夢中でいうことを聞かない甥のエルネストに、私は嫁をもらって跡継ぎに財産全て与えると言い渡す。
ノリーナにエルネストからの手紙が届くと、そこには叔父に家を追い出されたために北ヨーロッパへ旅立つと書いてあった。ノリーナはマラテスタに相談すると、マラテスタは自分の言うとおりにすれば上手くいく言って、ぶりっこ教育をノリーナにする。
【第2幕】 |
エルネストはノリーナに別れを告げて一立ち去る。一方、パスクァーレは結婚の準備に大忙しで、そこにマラテスタに手を引かれたノリーナが現れる。マラテスタは妹のソフローニャといってノリーナを紹介すると、パスクァーレは一目で気にり、早速結婚式を挙げようとする。いよいよ署名する時に、エルネストが現れ、叔父の花嫁がノリーナであることに愕然するが、マラテスタに何か説得されて証人になってしまう。
結婚が成立すると、ノリーナは急に態度が変わり、、じゃじゃ馬振りを発揮し始め、言うことを全く聞かず、大変な浪費をし始める。
【第3幕】 |
ノリーナに振り回され、右往左往する召使達を見て、これではは破産すると嘆くパスクァーレのところに、豪華に着飾ったノリーナが現れ外出しようとする。パスクァーレは罵り引き止めるが、逆にノリーナに平手打ちを喰らう。ノリーナはわざと逢引の手紙を落として立ち去る。手紙を読んだパスクァーレは怒って、マラテスタを呼び、二人はノリーナの逢い引きの現場を捕まえようと決める。
エルネストが、ノリーナを待っていると、潜んでいたパスクァーレとマラテスタが飛び出し、エルネストは隠れる。パスクァーレは怒って、財産はエルネストと彼の恋人のノリーナに譲ると、ソフローニャ(ノリーナ)に宣言する。再び現れたエルネストにマラテスタが、「叔父さんは君とノリーナの結婚を許してくれたよ」と言い、エルネストが、ノリーナはここにいるソフローニャだと言うと、パスクァーレは自分が担がれていたことに気がついて驚く。最後は、全員が声を合わせて、結婚は老人のすることではないと歌い、パスクワーレは全てを許してハッピーエンドとなる。