深見東州(半田晴久) 氏の年間イベント一覧
世界の知性が語るこれからの時代と、ワールドメイトで聞いたお話から

2020年代という、新たな時代の幕が開きました。今年のワールドメイトの正月神業でも祈りましたが、平和で素晴らしい2020年代になるようにと、誰もが正月に願われたのではないかと思います。

思い返すと、昨年は本当にさまざまなことがありました。ワールドメイトでの活動は個人的には充実した一年になったと思っていますが、国際情勢や地球環境に関しては、様々な課題・問題が、いっそう浮き彫りになった年でした。日本にいると、とても平和ですから、あまりピンとこないかもしれませんが、かなり世界は激動していたと思っています。

その流れは、今年に入って、いっそう強くなるのかなと感じさせるのが、まず、今日のトップニュースでも伝えられた、台湾の選挙結果です。

個人的には蔡英文総統の再選を強く支持していますが、今回の圧勝を受けて、中国と台湾との関係、その背後にある米中関係は、ますます微妙な緊張を孕むことは誰の目にも明らかです。

その圧勝の発端となった香港での民主化要求のデモですが、こちらも、まだ先行きが不透明な状況です。グローバル化には良いところもあれば、それによって格差が開いたとする問題もありますが、グローバル化が進んだことで、国際社会からの孤立が自国の破滅につながることが、いっそうはっきりしたように思います。それだけに香港のデモに対する、中国政府の強硬な対応への抑止になっているのも事実でしょう。ひと昔の、天安門のような武力で解決を計ろうものなら、世界の多くの市場を失うことになるでしょうから。

少し話は逸れますが、元日産のゴーン氏のレバノン逃亡により、今、日本の検察のやり方や司法制度が、時代遅れではないかと、世界の一部のメディアから批判を浴びているようです。

その方面にはあまり詳しくはないので、細かいことはわかりませんが、このような批判が起きるのも、やはりグローバル化が進んだために起きていることの一つなのでしょう。その国の制度には、その国の文化的な背景などがあるわけで、日本に来たらその国の制度に従うべきだといいたいところですが、もっと国際社会からも受け入れられるやり方をしていかないと、この先は、ビジネスにもマイナスの影響が出るかもしれません。今は互いに依存して成り立つものが増えてますので、国際社会の意見や動向を、昔よりも一層無視できない時代になっているように思います。

もちろん、今回のゴーン氏に関しては、いくつかの罪状が明らかになっているようですし、国外脱出という行動が正当なものであるはずはありません。経営者として優れた能力は否定できませんが、かなり強欲なタイプの経営者でもあるのでしょう。

日本には世界の人たちが賞賛するような素晴らしい面がたくさんあり、優れた国だと誇りに思っています。それでも世界から見て、女性の社会進出の遅れや報道の自由など、いくつかの点ではかなり低い評価になっている部分があります。良い面は残しつつも、これまで日本では普通で当たり前だと思っていたことも、世界から見ると遅れていると思われていることを自覚し、改善すべき点には取り組んでいくべきでしょう。

ちなみに、ワールドメイトや深見東州先生が経営される会社などでは、女性パワーをどこよりも活用されていて、それも成功の秘訣のように思います。別に男性が小さくなっているわけではありません。むしろ、元気な女性パワーのエネルギーをもらって、社会で疲れ気味の男性も元気にやっている感じでしょうか(笑い)

それを見てるので、いろんな分野にもっと多くの女性が進出し活躍できる環境づくりが、これからの日本にとって非常に大事なのではないかと実感します。

話を国際情勢に戻しますが、一昨年から大きく動き出した北朝鮮の非核化交渉も、北朝鮮が米国に対し、一方的に2019年末までを交渉期限に設定するなど、北朝鮮の動きがかなり怪しくなっていました。おそらく、制裁の影響がかなりあるのでしょうか。

この動きに対して、アメリカの国防関連の要職を歴任してきたグレアム・アリソンという教授が、昨年12月初旬に来日し、興味深い話をしていました。

この教授は、「トゥキディデスの罠」という言葉の考案者としても知られています。古代ギリシャの覇権国スパルタと、新興国アテネが戦った「ペロポネソス戦争」について記録した歴史家トゥキディデスは、新興国が覇権国を脅かすことが戦争の要因になると指摘しました。そんな戦争不可避な状態にまでぶつかり合うことになる現象を指して作った言葉になります。

そして、今の米国と中国がまさに「トゥキディデスの罠」であり、今回の講演でも、米中戦争は十分にありえるということを、過去の様々な歴史や国際情勢の分析から指摘していました。いまさら言われなくても、そんな心配をしている専門家や、あるいは一般人もかなり多いのではないかと思いますが。

さらに、北朝鮮のことに関しても触れ、第2次朝鮮戦争勃発の可能性が極めて高くなっていると警告したそうです。昨年12月12日の講演での発言でした。これからの数週間で悪化するという話だったようです。

先ほども書きましたが、北朝鮮は2019年末までに、交渉の合意によって北朝鮮への制裁緩和がなければ、その先はどうなるかわからないようなニュアンスで、アメリカに迫っていました。

それで、再びICBM を含む核実験をする可能性があるということで、そうなると、アメリカは新年にも北朝鮮の発射台を攻撃し、実験ができないようにする可能性が高まるとのことです。そしてその場合、第2次朝鮮戦争につながる可能性があるということです。

過去には脅かしとも取れるやり方で、北朝鮮への軍事行動も辞さない構えを見せてきたトランプ大統領ですが、実際には行動に移してきませんでした。北朝鮮が韓国に向けて反撃してくることが分かっているからでしょう。北朝鮮のことですから、米軍基地がある日本にも飛び火することは、間違いないと思って良いでしょう。

何をするのか予測不能のトランプ大統領ですが、同盟国や米軍に甚大な被害が出るかもしれない大規模な衝突を望んでいないことは当然だと思います。今回のイラン・ソレイマニ司令官殺害に対する、イランによるミサイル報復攻撃に対しても、報復を行えば軍事行動に出ると言っていましたが行いませんでした。

実際には、イランの弾道ミサイルによる、米軍の人的被害はありませんでした。ですので、イランが狙って外したのではないかとも言われています。イランも、国内の対米強硬派へのメンツを保った上で、大規模な軍事衝突にならないようにしたと推測されています。さらに、誤射による民間機撃墜という悲劇的な事件が起きてしまいましたので、国際社会の批判を浴びることになりました。ここはイランも、エスカレートせずに落ち着いた行動を取らなくてはならない状況でしょう。そして再び、民間人を巻き込むという悲劇が起きないことを心より願います。

話が逸れましたので北朝鮮の話に戻すと、去年の同じ時期に来日して講演したフランスのジャック・アタリ氏も、2020年の最大の問題は北朝鮮だと明言していました。北朝鮮の脅威について十分に論議がされていないとも発言したそうです。

長くなるので詳細は省きますが、ヨーロッパやアメリカの知性を代表する国際政治の専門家が、極東アジアの北朝鮮のことに、今、大きな関心を持っていることは、少々意外ではありました。2020年の最大の問題として、あるいは朝鮮戦争勃発の危機としてこの問題を捉え、警告を発していたことに少し驚きました。

ところでイランの要人殺害を受け、韓国では金正恩委員長が、ICBM 発射実験を再開すれば、同じような目に遭うと報道するメディアもあるそうです。かつてブッシュ元大統領と金正日との間に緊張があった時期には、金正日は長い期間、公に姿を現さないことも度々あったそうです。

今回は、殺害の後でも姿を出していたことが報道されていましたので、殺害を警戒して潜伏するようなことはしていないものの、今のところ予告していた新たな戦略兵器の発射はしていません。もしかすると、先のイラン要人殺害のことが、金正恩の行動に、大きな抑止となっている可能性はあるのかもしれません。

しかし、何をやるのか予測できない国なので、簡単に解決に向かうことはないでしょう。そして、先の二人の専門家が言うように、大きな問題であり、戦争に向かう可能性も排除できません。

このジャック・アタリ氏は、環境問題にもふれていました。興味深い意見を述べていましたので、長くなっていますが、もう少し紹介します。

リーダー国に対しては、必ず新たなリーダーになろうとする国が出てくるそうです。しかし、その二つのライバル国が争うと,どこか別のところからリーダー国が現れると、過去の歴史から説明しています。第二次世界大戦では、英国にドイツが挑み、その結果アメリカがリーダーになったように。

それで、これからの時代は米国も凋落していき、それに代わって中国が新しいリーダーになるという人もいますが、それは無いと、様々な理由をもとに述べています。しかし、そのどこもがリーダー大国になれないことにより、様々な矛盾を生じるとのことです。

現代の国際社会での大きな問題となっている気候変動や環境破壊の問題、そして貧富の格差やインフラの整備などと言う、長期的に取り組まなければ解決しない大きな課題は、それぞれの国の問題や対策としてではなく、全体の問題として取り組まないと解決できません。しかし、そんな問題に関心を持つことができなくなり、いろいろな問題が山積みなのに、その解決をリードする国がいなくなると言うことです。その結果として、世界レベルでの紛争が起きてしまうだろうと述べています。

現在、アメリカはどんどん内向きになり、世界の国々からの信頼も、だんだん失っているように見えます。かと言って現在の中国を、アメリカに代わる世界の覇権国として受け入れたい国は、ほとんどないでしょう。中国は大国にはなりましたが、ジャック・アタリ氏の考えでは中国は歴史的に内側に向かう国なので覇権国にはなれないと言うことです。

そこで、様々な問題に取り組むために、本当にグローバルな組織が必要だと説きます。ジャック・アタリ氏によると、環境問題も危険な問題だが、それもほんの一部にすぎないとのことです。今後起きうる様々な危機に対し、新たな国際的な機関が必要だと訴えます。しかし過去の歴史では、戦争という大きな代償を払った後に、国際連合など、国際機関が作られてきたことが多いということです。

ヨーロッパ諸国はEUという新しい秩序を作ろうとしていますが、これは非常に難しいことで、成功すれば世界にとって良いことだとしながら、そのヨーロッパがやっている難しいことを世界レベルでやらなければいけないと述べています。

ワールドメイトで、これまで様々なことを聞いてきた身としては、何かその通りの方向に時代が進んでいる気がしました。今回取り上げた専門家の意見も、細かいところでは違いがあるとはいえ、大筋では、共通するような部分があります。2020年代というのは、このような混沌とした時代が続き、大きな危機に向かうという点で、これらの専門家の意見は一致しているように感じました。

そうならないために、新たな国際機関設立の必要性や、米国と中国の覇権争いの中で、どちらも勝者にならないという話、過去の歴史では、それ以外の第3の中心地が出てくるという話は、とても興味深いものでした。

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